大規模な山火事で被害を受けたカナダ・アルバータ州が、ドローンを利用して山火事の原因を特定するとしている。5月1日、アルバータ州の産油都市フォートマクマレー(Fort McMurray)で火災が発生。5月8日までに民家1600戸が炎上し、約8万8000人が避難した。炎上した地域の面積は、中国・香港全体の面積よりも広いという。
アルバータ州政府は、ドローン事業者エレベーテッドロボットサービス(Elevated Robotic Services)と契約を結び、10日から山火事発生地域を調査開始。ドローンで山火事の原因を特定することを計画している。
具体的なプロセスとしては、ドローンを人が立ち入ることができない火災地域に飛ばし、赤外線カメラと熱感知カメラで写真を撮影。800枚の写真を撮影・合成しマップを描き、時間や風などの要素を考慮した上で、山火事の特定を把握する予定だ。現在、フォートマクマレーの同地域は、山火事のために15万6000ヘクタールの領域が煙で覆われており、一般的なカメラでは撮影が不可能となっている。
今回の作業に使用されるドローンは、中国DJI社の製品で販売価格は1900〜6500ドル。なお、山火事の被害地域が広範でバッテリーが45分以上持たないという点が、作業上の憂慮となっている。
今回アルバータ州政府が契約したエレベーテッドロボットサービスは、ドローンで取得したデータをもとに、クライアントに分析結果や行動計画などをサービスとして提供する企業だ。エレベータテッドロボットサービスのマネジャー、マット・マシューマ(Mat Matthews)氏は、「ドローンが、山火事の発生場所を探す速度を、はるかに早めてくれるだろう」とコメントしている。