気候分析・鳥生態調査・森林伐採...環境保全に活用される人工知能

ロボティア編集部
ロボティア編集部

環境問題_人工知能
photo by orbital insight HP

 そんな鳥の生息状況の分析以外にも、人工知能は活用されている。米航空宇宙局(NASA)では、人工知能を使用し、海に生息する植物プランクトンの個体数の測定や、正確な分布を追跡している。

 気候変動と地球温暖化が続いた場合、人類に襲いかかる最大のリスクがある。酸素の枯渇だ。2015年12月、英ラスター大学の研究者は、海水温度が6℃上昇した場合、酸素の70%を生産しているといわれる植物プランクトンが絶滅する可能性があると指摘した。NASAでは衛星写真と人工知能を活用し、その問題に対策を立てる計画だ。

 また、NASAは2022年から「PACE(Pre-Aerosol Clouds and ocean Ecosystem)」プロジェクトを進め、気候変動に関するより詳細なデータを収集する予定だ。このプロジェクトが実現すれば、微生物やプランクトンが二酸化炭素と酸素濃度にどのような影響を与えるか、具体的に知ることができるようになるという。なお、人工知能とクラウドコンピューティング技術を組み合わせ、何百万枚もの衛星写真を細かく分析する技術を、通称「マクロスコープ(macroscope)」という。

 世界資源研究所(World Resources Institute=WRI)は、ビッグデータ関連のスタートアップ企業である「オービタルインサイト(Orbital Insight)」とパートナーシップを結び、森林破壊を監視・予測するプロジェクトを進めている。

 具体的にはマクロスコープ技術を活用し、膨大な衛星写真を撮影。そのデータを人工知能で分析することにより、新道路の建設や森林伐採などの兆候を把握し、最も高い危険にさらされている森を予測する。予測結果は、地域の当局者に提供され、森林を脅かす開発活動などを防ぐために使用されるという流れだ。