米海軍と海洋ロボット専門企業ハイドロナリックス(Hydronalix)が共同で開発した海難用人命救助ロボット「エミリー」が大活躍し、大きな関心を集めている。先日、シリア難民が乗った船がギリシャ・レスボス島付近で座礁したのだが、エミリーが約300人の人を救助するのに貢献したという。
エミリー(EMILY=Emergency Integrated Lifesaving Lanyard)は、米海軍研究庁(ONR)の開発研究支援を受け、ハイドロナリックス社が開発した製品だ。長さ1.2メートルで、重量は約11㎏(25ポンド)となる。1時間に最大35㎞(22マイル)進むことができ、機能として遭難者のための双方向無線通信、夜間救助ための照明などが備わっている。もちろん遠隔操縦も可能だ。
機体には非常に強力な繊維や、航空機で使用される高精度かつ、高強度の部品が使われている。エミリーを開発したハイドロナリックス社のCEO 、トニー・マリガン(Tony Mulligan)氏は「本当に丈夫で、岩や岩礁にぶつかっても壊れない」と自信をのぞかせている。
エミリーの形はロボットというよりもブイのように見える。災難時、ヘリコプターや橋から遭難者に向かってエミリーを投げ入れて使用する。また海難事故だけでなく、山火事などの火災時にも使用することができると言われている。
現在、米海軍に約260個 のエミリーが提供されている。その他にもインドネシア、シンガポール、イギリス、フランス、モンゴル、ブラジル、メキシコ、ギリシャ、韓国、などにも普及しているそうだ。また米オレゴン州とワシントンDCも、エミリーに関心を示しているという。
photo by emilyrobot.com