クジラ調査用ドローン「スノットボット」が公開される

ロボティア編集部2016年6月5日(日曜日)

 米カリフォルニア州でクジラの保護活動に従事する団体・オーシャンアライアンス(Ocean Alliance)が、DJIのドローンであるファントム4や、インスパイア1などをベースに、クジラ観察用ドローン「スノットボット(Snotbot)」を開発。クジラに接近し、近接撮影をすることに成功した。オーシャンアライアンスは、開発資金の確保のために、クラウドファンディングサイト「キックスターター」で、22万9819ドル(約2447万円)を調達した。

 スノットボットは、映像や写真を撮影し、クジラの身体的、生物学的データを収集する。加えて、クジラが背中から噴く水を採取する。というのも、噴出した水にはクジラのDNAや妊娠ホルモン、ストレスホルモン、また海水に流出した農薬や金属など、数多くの化学物質が含まれている。それらを採集することで、クジラの生態解明に活用する。

 これまで、大型船に乗った10人以上の調査員が、一週間かけて調査を行っていたそうだが、ドローンを利用すれば、簡単かつ安価にクジラに接近することができるようになるという。もちろん、このようなドローンを用いた調査の可能性はクジラだけに限らない。今後、より多くの野生動物の保護に活用されることが期待される。