中国EC最大手・京東グループ、ドローン配送計画を発表

ロボティア編集部2016年6月6日(月曜日)

 第二回烏鎮(ウージェン)インターネットサミットで、京東グループCEO・劉強東(リウ・チアンドン)氏が、ドローン配送計画および京東物流実験施設の設立を発表した。京東はメディアに対しテスト飛行の写真を公開したが、ドローンの大部分は京東のロゴに覆われており、機体の詳細については不明のままだ。

 京東は5月に上海で開催されたCESアジアで2台のドローンを展示した。VTOL固定翼ドローンと、Y-6マルチコプタードローンだ。発表によると、同社のドローンは飛行時間と積載重量によってタイプが区別されている。VTOL固定翼ドローンは連続飛行が1時間強、積載重量は約5キロ。一方、Y-6マルチコプタードローンは10キロまで積載できるが、連続飛行時間は40分となっている。

京東ドローン2
VTOL型固定翼ドローン photo by 京東

京東ドローン
Y-6マルチコプタードローン photo by 京東

 なお、このふたつの機体は京東が構想している配送用ドローンとは異なるものだという。とはいえ、2種のドローンはすでに生産が始まっており、農村での試験飛行段階にある。機体は一般販売用ではなく、京東の貨物輸送用として使用される予定だそうだ。

 京東関係者は中国メディア・雷峰網の取材に対し、連続飛行時間および積載重量が、配送用ドローンを完成させる上で重要な課題だとしており、今後も様々なニーズに応じて、数種類の機体をリリースしていくとしている。

 配達ドローンには、飛行時間と積載重量以外にもいくつかの課題がある。例えばそのひとつに、「どのように利用者の手元まで荷物を届けるか」という問題があり、これについては配送大手アマゾンも悩まされている。アマゾンが現在取り組んでいるのは、利用者の庭に目標となるマークをつけ、その上にドローンが荷物を置く仕組みだ。この方法は、密集度が高くないアメリカの住宅地では実現の可能性が高いが、事情が異なる中国の都市部では困難。そのため、京東では住居密度が比較的低い農村をターゲットに、ドローン配送を実現する道を模索している。

京東ドローン
劉強東氏 photo by entertainment.big5

 京東ドローンは、顧客のもとに直接荷物を届けるのではなく、農村内にサービス拠点を設け、そこまでドローンで配送するという構想を描いている。その後は京東の配送員が顧客の手元まで配達する。そのため京東が解決したい課題としては、物流センター出荷後、サービス拠点までいかに貨物を輸送するかとなる。

 京東が農村でドローン配送を行うもうひとつの重要な理由は、法規制である。中国国内では大手輸送企業・順豊が、京東よりも早くドローン配達に取り組んでおり、ドローン関連企業にも投資し、事業開発を進めている。が、関連情報はあまり出てきていない。雷峰網の調べでは、順豊のドローン配達プロジェクトは政府関連部門との交渉が難航しているとのこと。ドローンに関する法規制は、まだ正式な文書での発表がなく、北京など大都市では厳しい飛行制限がある。

 一方、僻地の農村であれば法規制も比較的緩くなる。京東関係者は雷峰網に対し「京東ドローンの飛行ルートは点と点であり、地方政府と調整をしながら進めているので、法的な問題で最終的なサービス展開に支障が出ることはない」と話している。

 農村での物流分野では、京東はすでに基盤作りを進めており、2015年末までに700余りの県でサービスセンターを設置。27省、約800の区や県(省の次の行政区分)をカバーしている。同時に約15万人の農村開拓要員を開拓し、12000余りの郷鎮(最も小さい行政区分)、15万の集落をカバーし、25万の農民にサービスを提供している。京東はまた、すでにサービス店舗を全国に1293か所設置。31省、約1300の区および県、2万近くの郷鎮、約40万の村落をカバーしている。

 ただドローン配送については、いつ、どのようにサービスをはじめ、課金システムをどうするかなど、具体的な詳細についてはまだ何も決まっておらず、検討中となっているようだ。