【地方創生×空撮】ドローンエモーション田口厚代表インタビュー

 ドローンエモーションの事業におけるもうひとつの方向性としては、ドローン動画、つまりコンテンツを制作するオペレーターと、ユーザーを繋げる素材販売フィールドおよび、マッチングサービスを展開していきたいと考えています。

 ここ数年、ドローン関連の様々なイベントに参加させていただいたのですが、そこでプロシューマーレベルのオペレーターの方々と親交を深めさせてもらい、いろいろなお話を聞かせてもらうことができました。そこで知ったことのひとつに、ドローンのオペレーターの方々に定期的な仕事がないということがありました。ドローン空撮動画は非常に魅力的なコンテンツであるし、オペレーターの方たちの腕も確か。非常にもったいない気がしてならなかったのです。

 また、会社を設立する以前、空撮を発注する立場、つまりユーザーの立場になることもあったのですが、価格や撮影クオリティーもまちまちで、実際に完成品を見るまで結果がどうなるのか分からないという悩みがありました。

 ドローンエモーションとしては、同じような悩みを抱えたオペレーター、またユーザーの需要を満たせないかということで、素材販売やマッチングサービスを用意していくことにしました。

―観光PR用動画にドローンを使うという試みは以前からあったかと思うのですが、それを地方創生という文脈と結び付けるというのは、ビジネスとして非常に具体的だという印象です。もう少し、今後のプランについて詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか

 はい。地方創生、もしくはマッチングサービスにおいて、やはり肝となるのは空撮コンテンツの質や方向性だと考えています。ドローンエモーションでは、単に空撮したり、オペレーターを集めるというのではなく、日本の四季や歴史など一定のテーマを設定したうえで、ストーリーがある空撮コンテンツを制作、またマッチングするサービスを展開したいと考えています。

 日本の四季が美しいことは、すでに海外の方々に広く認知されています。加えて、最近では日本人も驚くような“日本の歴史好き”が、外国人の方のなかで増えてきています。一方、日本の美しい城の動画はすでにありますが、歴史という視点から魅力を伝える動画はほぼありません。

 例えばですが、青森県の弘前城は100年に一度の曳家(ひきや)による大修理の真っ最中です。通常、弘前城といえば、桜や天守閣、花筏(はないかだ)などの風景が有名です。単に美しい空撮動画を撮るとすれば、その風景をドローンで撮影すれば済みます。

 しかし、100年に一度という曳家による修理事業中の状態や、普段は見ることができない岩木山と天守閣が同一画角に入る風景は、歴史的な視点から見てとても貴重で魅力的です。

河鐘基

記者:河鐘基


1983年、北海道生まれ。株式会社ロボティア代表。テクノロジーメディア「ロボティア」編集長・運営責任者。著書に『ドローンの衝撃』『AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則』(扶桑社)など。自社でアジア地域を中心とした海外テック動向の調査やメディア運営、コンテンツ制作全般を請け負うかたわら、『Forbes JAPAN』 『週刊SPA!』など各種メディアにテクノロジーから社会・政治問題まで幅広く寄稿している。