無人自動車の権威ダニエラ・ラス所長、無人車の現在と未来を語る

ロボティア編集部
ロボティア編集部
CSAIL
米マサチューセッツ工科大学コンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)

現在のロボットおよび無人自動車技術開発の段階はどのレベルにあるのでしょうか

ロボットというものは、TVに出てくるような人間の形をした特異なものだけを指すものではありません。私たちは、生活の中ですでにロボットを接しています。最近登場したロボット掃除機もそのひとつです。日本で流行しているペットロボットもそう。私たちが気付かないうちに、ロボットはすでに生活の中に入ってきており、その活動領域を広げています

無人自動車も同様です。無人自動車そのものを見れば、開発は初期段階です。米国運輸保安局は、無人自動車の発展段階を4段階に分けていますが、現在はまだ運転者がセンサーの助けをかりて運転するという第一段階にある。ただし、最終的な4段階目に至るための数十種類の技術は、すでに開発されています。これから必要なのは、緊急事態に対処できる人工知能および、より正確な地図などです。現在は、いくつかの技術を“融合”する段階。 10年前には、無人自動車を想像するの自体が困難だった。しかし、現在ではテスラや日産などの自動車企業も、2020年には無人自動車の商用化が可能だと断言しています。業界でそう言い切るくらいですので、すでに無人自動車時代に入ったと見ても差し支えないでしょう。

その言葉が正しければ、無人自動車と似たようなロボットもすぐに一般に普及するということでしょうか?

1963年に、CSAILが研究を開始した時には、ただ一台のコンピュータがそこにありました。パーソナルコンピュータが普及するなんて、夢のような話だったのです。当時の研究者たちの目標はひとつでした。そのコンピュータを、誰もが共有すること。当時「オープンソース」という概念を作り出したのも、そういう動機からです。 しかし、今では一人が一台のコンピュータを持つ時代からさらに進んで、携帯電話がコンピュータ化する時代がきました。すでにコンピュータの役割をする機器が、携帯電話、タブレット、ノートPCなど、1人当たり3〜4つにもなります。

現在はロボットの技術開発だけでなく、ロボットが行うことができる役割を増やすことに集中しています。例えば、ペットの猫と遊んでくれる「おもちゃのロボット」のようなものです。また、最近開発されたチェスロボットは、まだ100%ではないですが、ほぼ自動
で判断して即座に対応する能力がある。そのようなスピードで開発や商業化が進めば、“1人1ロボットの時代”はそう遠くないはずです。