無人自動車の権威ダニエラ・ラス所長、無人車の現在と未来を語る

ロボティア編集部
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トヨタ自動運転
photo by japanese.china.org

トヨタの人工知能自動車開発に参加したのも、そのような意図からでしょうか

(トヨタは9月初め、今後5年間で5000万ドル(約60億円)を投資し、MITとスタンフォード大学に、ロボット協力研究センターを設立すると発表した。センターの一次的な目標は、人工知能技術をスマートカーと家庭用ロボット技術に融合することである。 MIT側の協力パートナーがラス所長だ)

無人自動車の概念には2つがあります。まず、車が自動で動く「直列開発」と人間が運転する過程に自動車システムが介入する「並列開発」です。後者は、例えば事故が起きようとする際に自動で速度が低減することなど。今、Googleや他の自動車業界が進行する方向は、「並列開発」です。しかし、トヨタは「直列開発」に焦点を当てています。車が自律的に動いて、人間と協力する。そのような自動車に必ず必要なものが人工知能技術です。

技術の発展よりも、人間の恐怖を克服すること、そして法規・保険などの問題を解決することが必要になると思われますが

もちろん、そうでしょう。ただ、恐怖は無知から発生するもの。無人自動車を経験したことがなければ、漠然とした恐怖があるのだと思います。私たちの研究チームが最近、シンガポールにある大学のキャンパス内で無人自動車の実験をしました。学生は当初、キャンパス内を動き回る無人自動車を恐れていましたが、一ヶ月が過ぎるとほとんど「楽で興味深い」と答えるようになりました。

すべての技術の導入初期の段階では、恐怖が伴います。しかし、それはいつか日常生活に変化する。法規も同様です。現在、ほとんどの国では、無人自動車は違法です。米国でも5つの州でのみ試験走行が可能です。実際に無人自動車の時代になるために最も重要な課題のひとつは立法化です。しかし、歴史的に見たときには、まず技術の発展が先にあり、これに対して社会が適応しながら、技術の使用方法に関する規則が設けられます。

16日、現代自動車の前役員が、Google自律走行車チームに移籍しています。現在、無人自動車の開発で最も進んでいる企業はGoogleです。無人自動車時代の到来は、自動車業界とIT業界の区分が消えることを意味するのではないでしょうか。

当然、その境界線は消えていくでしょう。しかしそれは、両方の業界にとってともにチャンスになることを意味します。わずか数年前までは、携帯電話業界とカメラ業界は区別されていました。しかし現在、人々が最も多く写真を撮るツールは携帯電話です。写真は、フィルムからデジタルに移行し、現在は携帯電話の中に取り込まれました。

これから自動車は、単に走る道具ではなく、ひとつの「IT機械」、さらに進んでロボットになります。これは、他の家電製品も同じです。すでに掃除するロボットが登場していますよね。今後、冷蔵庫も、食器洗浄機もすべてロボットになります。そして、彼ら互いにコミュニケーションを取るようになります。自動車が冷蔵庫に必要なものがないか尋ね、中身を確認する時代がくるのですが。そういう時代に備えるために、自動車業界の経営者はコンピュータ技術についてもっと知るべきで、逆にIT企業の経営者は、ハードウェアを作る製造業について知る必要がある。そうでなければ、携帯電話業界がカメラ業界を飲み込んでしまったように、自動車もしくはITのいずれかのみ生き残るようになるでしょう。