無人自動車の権威ダニエラ・ラス所長、無人車の現在と未来を語る

ロボティア編集部
ロボティア編集部

UBER

無人自動車の開発に影響を与えるのは、ふたつの業界だけでしょうか

おそらくそうではないでしょう。無人自動車の時代の到来は、巨大な「インフラ」が変化することを意味します。必要なときに、スマートフォンで車を呼ぶようになれば、公共の交通体系が変わる必要があるでしょう。現在のタクシー、バス、電車などのシステムも変化していくはずです。

現在はまだ主流ではない、ウーバー(UBER)のような車両共有システムが、主流になる時代が来るかもしれません。無人自動車の時代に強調されている概念は、「モビリティオンデマンド(mobility on demand)」。すなわち要求するように動く移動ツールということです。このような状況では、車両を共有することで迅速に対応することができます。

技術の進歩は、高齢化時代の生活の質を変えることにもつながります。先ごろ訪問したシンガポールの村は、高齢者が多かった。高齢者の方々は、隣家の方と会話もしたいし、病院も行かなければならないし、また買い物にもいく必要もありますが、現在は不便が多い。そこに無人自動車が導入されたと考えて見てください。必要なときに車を呼んで、行きたいところに行くことができる。さらに、そのような村はほとんど郊外にあるので、交通量が少なく、無人自動車を走らせるにも最適な場所です。

ロボット時代の到来は人々の仕事の喪失を意味するという意見があります。無人自動車時代が来たら、タクシー運転手の仕事がなくなるのではないでしょうか

仕事が消えるということはありません。それは、“変わる”のだと思います。人類の職業は常に変化してきました。技術の発達により変化しない仕事というのはありません。その場合、人は技術の変化に対応して、自分の仕事を自らアップグレードする必要があります。

タクシー運転手を例に挙げてみましょう。彼らが自分の仕事を「運転すること」に限定すれば、その仕事は消えます。しかし、そこから一歩踏み出し「ガイド」の役割をアップグレードすれば、人間の運転手の需要が消えることはないでしょう。これからの未来は、うんざりするような仕事をロボットがこなし、より創造的な仕事を人間が担当することになると思います。