米テキサス州警察狙撃事件、キラーロボットで犯人制圧か

ロボティア編集部2016年7月9日(土曜日)

 米テキサス州ダラスで12人の警察官が死傷する狙撃事件が起きた。その事件発生後の8日、狙撃犯を殺害する過程で「爆弾を積んだロボット」が投入されていたことが明らかになった。ダラス警察はエルセントロカレッジ駐車場の中に、数時間隠れていた狙撃犯マイカ・ジョンソン容疑者を射殺する過程で、ロボット爆弾を使用したと明かした。

 今回、実際に使用されたのはイラク戦の初期に一部使用された兵器として知られている遠隔操作ロボットだったという。米国では、犯人の制圧にロボットを使用したことをめぐり、法的・倫理的議論の可能性が提起された。

 ダラス警察側は「(投入)不可避だった」と主張。マイク・ローリングス市長も記者会見で「ロボット一台に爆破装置を乗せて、容疑者が隠れている場所で爆発させざるを得なかった(中略)他の選択肢は、警察を重大な危険にさらさせた」と警察の主張を擁護している。それとともに市長は、ジョンソン容疑者が銃で自殺したという一部マスコミ報道を否定した。

ロボット_テキサス警察2
Photo by WFAA

 ダラス警察は、狙撃犯を殺害するために使用したロボットが陸上用か、ドローンのような空中用かなど、具体的な情報は公開していない。

 なお、米メディア側は、警察がロボットを使用して、容疑者を制圧することは非常に異例だと指摘している。警察の爆弾処理班は通常、遠隔制御できるロボットを使って爆破装置を解体するが、逆に爆破装置や弾薬を乗せて容疑者を制圧するというケースはあまり見当たらない。

 希有な例としては2014年、ニューメキシコ州のSWATが、ロボット一台に「化学弾薬」を搭載しモーテル内に進入させている。当時、警察と対峙していた容疑者の降伏を引き出すのに使用されたと、米メディアは伝えている。