韓国で複合施設のテロに備えた「2016国家対テロ総合訓練」が行われた。10月6日、舞台となったのはソウル・蚕室(チャムシル)総合運動場だ。同訓練には、首相室対テロセンター、国防部、警察庁、国民安全処、ソウル市など5つの機関から関係者500人余りが参加。韓国では歴代最大規模の対テロ総合訓練となった。
韓国のテロ対策基本計画に基づいて実施された訓練では、様々なテロの状況が想定された。都心や地下鉄駅などでの自爆テロや銃乱射、人質がとられたケースなどがそれにあたる。また訓練では、状況の伝達、爆発物処理、テロリスト鎮圧、死傷者の救助などすべての過程が点検された。
特筆すべきは、ドローンがテロに悪用された状況をシュミレーションした訓練。ドローンを利用した爆破テロが行われることを念頭に置き、ドローンを撃墜する戦術訓練も実施された。
現在、ドローンの普及とともに、機体を使用した犯罪が増えているという統計も、世界各地で目立ちはじめた。今後、小型のドローンがテロに使われる可能性も決して否定できない。どのような悪用シーンがありえるのか、シュミレーションや抑止方法の確立が進むことが期待される。