農薬散布だけではない!?ドローン×農業の6つの使い道

ロボティア編集部2016年7月25日(月曜日)

 情報メディア・MITテクノロジーレビューが、ドローンを農業に活用できる6つの方法を公開した。

 まずドローンは、畑に苗を植えたり、種をまく際、土壌分析にドローンを使用することができる。ユーザーは、ドローンを通じて正確な3Dマップを作成することができ、苗を植える時期を計画するのに役立てられる。また、苗を植えた後に土壌分析を実施すれば、3Dマップで、灌漑や土壌の窒素レベルを管理するのにも役立つ。ドローンを使用すれば、より正確な収穫サイクルを算出することが可能で、かつ生産の効率性が向上する。

 ふたつめは、種をまく際にドローンを活用することができる。すでに一部では、ドローンを用いた種まきシステムの開発が進んでいるのだが、種をまくコストをこれまでの85%削減できたという例も報告されている。このシステムは、植物の種子や植物の栄養素が含まれている容器をドローンから発射、植物の成長に必要な種子と栄養を、同時に土壌にまくことができるように設計されているという。

 みっつめは農薬散布だ。ドローンで農薬を散布すると、既存の機械を使用するよりも5倍速い速農で完了できるとも言われている。すでに、ファントムシリーズで有名な中国DJIも、この農薬散布分野のドローンをリリースしている。

 よっつめは、作物に対するモニタリング。農地の収穫効率が低いのは、農家にとって大きな悩みの種となる。これまで、作物をモニタリングする上で最も先進的な方法だったのは、衛星写真を使用することだった。しかし、衛星画像の精度はあまり高くなく、コスト負担も大きかった。一方、ドローンを使用すれば、より安価で、正確に作物の成長状態を確認することができる。

 いつつめは、ドローンには、ハイパースペクトルやマルチスペクトル、熱感知センサーなどを搭載できるので、地上のどの部分が乾燥しているか、簡単に分析することができる。そのようにドローンを使用すれば、灌漑作業をより効率的に進めることができる。

 最後に、ドローンに可視光線および近赤外線の機能を搭載すれば、作物の健康状態や土壌のバクテリアの量、木の真菌感染症の有無などを予測することができる。その情報をもとに、マルチスペクトル画像を作成すれば、作物の健康状態の変化を観察するために非常に有用となる。

 なお、プロフェッショナル人材ファームPwCは、ドローンによる農業ソリューション市場規模を約324億ドルと推定している。