映画もゲームも好き放題...自分だけに音が聞こえるスピーカー!?

ロボティア編集部2016年8月1日(月曜日)

 オーディオ・スピーカー市場が急成長を遂げている。もともと、いわゆる“高音質需要”はあったものの、若年層のオーディオ機器離れが止まらず、年々減少の一途をたどっていた。しかし、ここへきて市場がふたたび急速に伸び、さまざまなスピーカーが登場。音質や性能など、高級志向のオーディオファンはもとより、新規ユーザーの獲得を狙った、多様なデザインや用途が注目されている。

 サウンドレーザーVR(Soundlazer VR)は、ヘッドフォンがなくとも、周りには音をもらさず使用できるスピーカーだ。この製品は音の仮想現実(VR)というコンセプトを掲げている。

 サウンドレーザーVRは、天井にぶら下げて壁に設置するため、場所をとらずに、スペースをうまく使えるようなデザインとなっている。この、「天井にぶら下げる」というのがポイントで、機器の下にいる人にだけ音が聞こえるようになっている。周囲を気にせずに音楽を聞けるだけでなく、昼夜を問 わず、いくらでも好きなボリュームで映画も鑑賞することができる。駅や仕事場など、公共施設でも活用できそうだ。電源は、天井に連結されたワイヤーを通じて供給されている。 同製品は、クラウドファンディングサイトの「キックスターター (Kickstarter)」を通じて資金を募っている。

 また、エイスピーカー(A Speaker)も同じ用途で注目されている製品だ。こちらも同じ部屋で、自分にだけ音を聴けるスピーカー である。ただ、このスピーカーは従来の製品と全く異なる構造となっている。 それは、一直線に飛ぶ超音波ビームを作り出すことで、音の出力される方向をコントロールしている点だ。

 音声信号を超音波に転換し、このビームがスピーカーによって放出され、空気の中で増えるとともに、音波を構築する。 作られた音波は一定方向に動くため、この範囲内で音を聞くことができるようになる。 つまり、超音波を使いまっすぐ音を飛ばす事によって「スピーカーの前にいる人にしか音が聞こえなくなる」仕組みだ。なお、超音波ビームの内側にいると音が聞こえるが、少しでも 外側に出ると全く聞こえなくなる。

サウンドレーザーVR_次世代スピーカー
photo by soundlazer.com

 万が一誰かが寝ていたと しても、ボリュームを気にせずにゲームや映画を楽しむことができる。こちらの製品もクラウドファウンディング「インディゴーゴー (Indiegogo)」にて、既に目標出資額の5倍近くもの出資金を集めており、世界中で注目を浴びている。

 昨今のスピーカー市場はBluetoothを搭載したワイヤレス型はもちろん、スマホとの連動機能や音声認識など、多様な機能が関心を集めている。人工知能搭載型も開発が進んでいるというニュースもある。 今後、基本性能はもちろん、 高付加価値による新しい視聴体験の 競争が、一層激化していくと考えられる。