韓国・釜山市が交通情報の収集・提供に人工知能を導入

ロボティア編集部2016年8月4日(木曜日)

 韓国・釜山(プサン)市が、今年12月から、人工知能による映像分析技術を活用し、交通渋滞情報などを、試験的に提供開始する。人工知能を使った交通情報の情報収集および提供は、韓国の自治体としては初の試みとなる。

 同プロジェクトは、釜山市の「オープンスマートシティ」の実証実験事業の一環として、海雲台トンベク交差点など、釜山地域の4つの交差点を対象に実施される。

 既存の監視カメラは、交通疎通状況を監視する用途だけに活用されてきたが、今回の試験サービスでは、人工知能の技術であるディープラーニングを採用。さまざまな環境下、交通量、速度、密度などのデータを収集しつつ、そこに信号のオペレーティングシステム、交差点の構造などを反映して、道路の混雑情報を算出する。

 なお、釜山市は人工知能で算出した道路の混雑情報を、ホームページ、モバイル、ネット掲示板などで公開する計画だ。

 今回の試験サービスの実施により、交差点や交通渋滞情報の分析が24時間可能になる。それらで得られたデータを駆使すれば、より科学的な交通オペレーティングシステムを構築きるものと期待されている。

 釜山市は今後、信号情報と連携したリアルタイム信号運用体系を作り、交通渋滞を解消に努めるとともに、関連情報を民間に開放。モノのインターネット(IoT)産業も同時に育成できるのではないかと予想している。

 釜山市交通情報サービスセンターの関係者は「今回の試験サービスは、人工知能技術を都市交通の分野に適用する初の事例(中略)国の事業として推進されている200億ウォン(約20億円)規模の、IoTを基盤としたスマート交通管理サービスとも連携する計画である」と話している。