世界のロボット企業の競争激化、狙うは需要潜在地・中国

ロボティア編集部2014年12月31日(水曜日)

 世界最大のロボット市場に浮上した中国で主導権を握ろうと、世界の企業たちの競争がますます激しくなっている。現在、スイスABB、日本ファナック、安川電機、ドイツKUKAなど世界的なロボット企業が中国市場で活躍している。これらの4つの企業が中国全体のロボットの販売台数の70%を占める。2000年、中国に進出したドイツKUKAは2015年までに中国内の生産能力を年間5000台に増やす予定である。このため、2012年末、上海に新工場を設立した。

 日本FANUCは2002年に上海に進出し、生産工場を運営している。大連・天津など9つの主要都市に法人を設立し、中国市場の拡大に力を注いでいる。最近では、デンマークのユニバーサルロボットが中国に進出。昨年にはドイツREISロボットが昆明に法人を設立した。

 一方、まだ中国企業の市場影響力は大きくない。中国のロボット全体の90%が外国企業から輸入したものだ。2014年9月時点で、中国には420以上のロボット生産工場があるが、そのほとんどの中小企業レベルである。上位4つの国内ロボットの企業の市場シェアも5%に過ぎない。中国企業は、主にロボットシステムの互換および応用分野の製品を生産し、ロボット本体と核心部品は外国企業が供給する構造だ。

 中国を代表するロボットの企業は新松機器人自動化である。産業用ロボットと関連した自社開発能力を持っている。上海・深セン・北京・広州に工場があり、2012年の売上高は、前年比33%増の10億元(約190億円)である。 2016年までに上海浦東に12億元を投資して、7万㎡規模の生産基地を追加で建設する計画である。

 市場が大きくなり、外国企業の市場支配力が大きくなるにつれ、中国政府も、ロボット産業の発展に積極的な支援を惜しまなくなった。政府は、産業ロボットを重点的な発展分野に指定し「知能型製造装置産業12・5発展計画」を発表した。2015年までに、センサ・自動制御システム・産業用ロボットなどのインテリジェントデバイスの技術水準を、先進国レベルまで引き上げる計画だ。

 地方政府の育成政策も目立つ。全国的に上海・長寿・浙江・遼寧・広東・重慶などで、30余りのロボット専門工業団地が作られている。上海は、2012年に、ロボット産業専用工業団地を設立し、ロボット中心の知能型機器製造関連の産業を集めた集団を形成している。2017年までに、ロボットの製造関連企業や機関を合わせて600団体誘致するという計画を発表した。去る6月に開催された上海ロボット展覧会には、製造用ロボット企業20社以上が参加した。