今後1年の間に、米国で運用されるであろう商業用ドローンの数が、60万台以上に達するという予測が出てきた。
米国のアンソニー・フォックス運輸省長官は、8月29日の記者会見で、商業用ドローンの運用ガイドラインが正式に発効されたと伝えた上で、「米国における交通の歴史のなかで、最も劇的な変化の時期が到来した」と述べた。
一方、米連邦航空局(FAA)のマイケル・ウエルタ長官は「今後1年間で、ドローン60万台が商業的に活用されるだろう(中略)商用ドローンを利用した産業が急速に拡大するはず(中略)商用ドローンは、アメリカンドリームを達成するための新たな手段になる」と強調した。
FAAは、過去2年間にわたる議論の末に、商業用ドローンの運行ガイドラインを策定し、8月29日に発効した。現在、米国では商業用ドローンの許可申請が殺到している状態で、3000人以上が商業用ドローンの新しい運転免許証の発行手続きを行い、発給を待っている状況だと米国各メディアは伝えている。なお、FAAが現段階抱えているドローンの許可申請台数は約2万台だとも言われている。
これまでドローンは、撮影、建設、農業、映画界などで主に活用されてきたが、今後は消防活動、捜索・救助、学術研究など様々な分野に広がっていくだろうとFAAは予測している。米国国際無人機協会(AUVSI)は、2025年までに世界ドローン産業の市場規模が約820億ドルにまで拡大すると予想。ドローン産業関連の雇用人材も10万人に達するとしている。
ガイドラインの内容は当然異なるが、日本では航空改正法が施行された2015年12月以来、8月までの段階で、「約7000件の(ドローンの飛行許可)申請、うち5000件に許可が下りた状況」(国交省関係者)だという。