"老いるアジア"で盛り上がる高齢者関連IoT&ロボティクス市場

ロボティア編集部
ロボティア編集部

 同事業は「センスク・スマートシティ(Saensuk Smart City)」プログラムとして2014年から構想されてきた。2018年に完工予定のこのプロジェクトには、アメリカのデル(Dell)社とインテル(Intel)社が協力し、IT技術供与やビッグデータ分析、IoTなどの技術を組み込んだ、IoT Cityイノベーションセンターを構築するとしている。

 タイ現地のメディア・バンコクポストによると、この施設のコンセプトは「事物インターネット(IoT)で運営されるスマートヘルスケア」となる。住居者は、着用した手首で歩数計、睡眠パターン、日々の行動パターンの計測を行う。施設に従事する介護士は、手首バンドをブルートゥースで連動させデータを共有。受信した各種データと分析資料を通じて、遠隔で健康チェックする仕組みだ。

 一方で、高齢化だけでなく、少子化に伴い人口減少まで懸念される日本でも、シニア産業に積極的な取り組みが見て取れる。IT大手であるDeNAは今年8月、千葉県のイオンモール幕張新都心で、自動運転バスを利用した交通システム「ロボットシャトル(Robot Shuttle)」の運用を開始した。ロボットシャトルは、フランスの「イージー・マイル(EasyMile)」社が開発した自動運転車両「EZ10」を活用。「EZ10」は12人乗りの電気自動車で、前後に取り付けられたカメラや、GPSなどを利用して、予め入力した地点間を自動運行する。乗客が手動でドアを閉めると、自動で目的地に向かって移動する仕組みとなる。

 このように、ロボティクスやAIを利用した技術は、高齢化と人口減少に伴う労働力不足の減少という側面だけではく、社会を豊かにし、さまざまな問題を解決する策として浮上している。つまり、商品を配達するドローンや、無人で運行されるバスによって、地域経済の形が変わりつつあるということでもある。

 アジア全体で急速に進む高齢化。もはやアジア諸国にとっては「将来的課題」ではなく、「緊急課題」。政策的対応に取り組む必要に迫られている。