ドローン空中監視…救助団体とDJIが提携「行方不明者の捜索が5倍迅速に」

ロボティア編集部2017年4月27日(木曜日)

 ドローンメーカー大手・DJIは、オーストラリアの海洋救助団体「サーフライフセービングセントラルコースト(SLSCC)」と提携。オーストラリアの海岸で起こる海難事故を減らすために、ドローンを投入する計画だと4月26日明らかにした。

 DJIとSLSCCが開発した航空プラットフォームソリューションは、サメの監視、遭難者の発見、海岸線の調査、救助隊のガイドなどのタスクのために導入され、救助隊員が迅速かつ効率的な意思決定を下すことができるよう支援する。

 ドローンによる空中監視は、海や岩の上空から行方不明者を見つけるのに威力を発揮する。DJIが山岳地帯で行った調査の結果によると、ドローンが1㎢のエリアで行方不明者を探すのにかかる時間は20分以下。従来の方法よりも5倍も速いという。DJIは沿岸地域でも、同様に効率的な救助が可能だと分析している。

 2016年11月、DJIは「ドローンSAR」というソフトウェアを発表した。これは、リアルタイムで事故対策本部や地上救助隊に映像を伝送してくれるもの。また、被害者のGPS座標を救助隊員たちに電子メールや文字で自動送信してくれる機能もあるど。完了した調査のデータはすべて保存され、その後、他の救助者が引き継ぐこともできる。

 なおDJIが各国で報道されたニュースを集計した結果、2013年から2017年までにドローンが海上の救助活動(ロープなど救助用具の運搬、調査などを含む)に導入されたケースは合計で18件となり、救助された人数は59人であることが分かった。

 SLSCC関係者は「これまではサメを発見した時点で、ビーチや人に接近した後だった。しかしドローンを使えばより迅速な発見が可能で、より賢明な判断を下すことができる(中略)またこれまでは、ビーチを30分間閉鎖しても、サメがいなくなったかどうか把握できなかった。しかしドローン技術のおかげで、正確な状況の把握が可能となった。救助隊員たちにとっては非常に大きな朗報だ」と話している。