韓国財閥の一角・現代(ヒュンダイ)グループ内で、重工業産業部門を担ってきた現代重工業からロボット関連部署が分社。現代ロボティクスとして、本格的な活動をスタートさせる。8月31日には大邱市にある本社で、現代重工業副会長クォン・オガプ氏、現代ロボティクス代表ユン・ジュングン氏、クォン・ヨンジン大邱市長など100人余りが参加し、発足式が開催された。
現代ロボティクスは、1984年に現代重工業ロボット事業チームとして出帆。1995年に6軸多関節ロボット、2007年LCD用ロボットを独自開発するなどの業績をおさめ、現代重工業を韓国国内1位の産業用ロボット企業に成長させた。実質的に韓国最大の産業用ロボット部門であった同チームは、国内自動車産業およびLCD産業の世界的な競争力を確保において、重要な役割を果たしたと評価されている。
今年4月には現代重工業から分社するのと並行して、大邱に新工場を竣工しているが、これは工場内の各種データをリアルタイムに収集できる「スマートファクトリー」となった。新工場の竣工により、生産性と品質、安全性など全体的な競争力が増し、年間生産量も従来の4800台から8000台と2倍近く増加。安定したビジネス的成長の基盤を用意できたと現代ロボティクス側は現状を説明している。
現代ロボティクスは、会社分割後の最初の四半期となる第2四半期に、前年同期比売上高が10%増え、営業利益率も10%台に上昇。独立法人発足と新工場の稼働に伴う目に見える成果を、すでに示しはじめている。
発足式では、2021年までに「主力製品の競争力の強化」「製品と市場の多様化」「新たなビジネスモデルの創出」「中国市場への本格的な進出」を通じて、グローバルロボット総合企業として跳躍する旨を込めた「ビジョン2021」を発表している。特に第4次産業革命とともに成長が予想される「スマートファクトリー市場」で、産業用ロボット&自動化システムの開発・展開に注力していく計画だ。
ユン・ジュングン代表は、「産業用ロボットの分野は、年平均10%の高い成長率が期待される市場(中略)着実にR&D投資を増やしつつ営業網を拡大して、2021年には売上高5000億ウォン、世界5位のロボット総合企業として成長したい」と目標について言及している。
Photo by 現代重工業