空を飛び、地上を走る陸空両用の「アバターロボット」が公開された。地上を走るロボットと、ドローンの利点を組み合わせた、新しいタイプのサービスロボットの登場だ。
KAISTムンスル未来戦略大学院のペ・イルハン教授は最近、地上走行が可能なリモートロボットにドローンの飛行機能を搭載した、「ロボット・ドローンマン(Robot Drone Man)」を公開した。ロボット・ドローンマンの特徴のひとつは、操縦者が遠隔通信しながら移動させる際、飛行もしくは地上走行を選択することで、周囲の地形や障害物に影響を受ける傾向が減るという点だ。
ロボット・ドローンマンの高さは0.9m、重さ11㎏。地上では3km / hの速度で移動する。同ロボットが目的地に到着すると、操縦者はロボットのビデオ通話機能やアームを操縦。アバターのように、現場でタスクを処理することが想定されている。
研究者らは、「ロボットとドローンの境界が消える未来」を実現するためにロボット・ドローンマンを製作したと話している。また、ロボットとドローンを融合させた新しい市場を生みたいとも説明している。ソフトバンクのペッパー(pepper)のようなヒューマノイドロボット、もしくはサービスロボットは、特定の室内空間を訪問した顧客だけに対応する。一方、ロボット・ドローンマンのコンセプトは「必要な顧客のもとに向かう」というものとなる。
研究者らは2020年代頃からドローン配送サービスが始まると仮定した場合、「歩き回るドローン」が、宅配便のほか、各種サービスを提供する未来的シナリオは現実化していくだろうと主張している。なお韓国では、11月から「非可視圏(BVLOS)」においてもドローンの飛行が許可される。つまり、長距離ドローン制御技術が実用化されていくが、その流れのなかで同アバターロボットによる「リモートロボットサービス」をテストしていく計画だ。
ペ・イルハン教授「ロボットとドローンを区別する社会的通念や産業政策が、第4次産業革命の障害になっている(中略)ロボット、ドローンの融合を通じて、スマートフォンに替わる新たな市場を先占しなければならない」と意気込みを述べている。
一方、軍事専門メディア「ディフェンス・アップデート」によると、イスラエルの軍事ロボット企業「ロボチーム(Roboteam)」も、空中ドローンと地上ロボットの特徴を組み合わせた着脱式の監視ロボットを開発している。ロボットとドローンが融合していく傾向は、海外各地で本格化していきそうだ。
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Photo by KAIST