科学ジャーナル「フロス・ワン」(PLOS ONE)9月23日号に、赤ちゃんの笑顔のメカニズムを解くためのロボット研究が取り上げられた。
赤ちゃんは親と接する時、なぜ笑うだろうか。赤ちゃんの笑いには、どのような目的があるのだろうか。ロボットは現在、このような問いを解くための心理学的研究にまで活用され始めている。フロス・ワンが報じたところによると、とある科学者や発達心理学者は、その共同研究を通じて、赤ちゃんの笑顔のメカニズムを明らかにした。明らかにされたのは、赤ちゃんは自分に接する人々から、笑いかけてもらうために笑うという事実だった。
研究者は、赤ちゃんが実際に望んでいることは何かを知るために、ロボットによく使用される最適制御理論(optimal control theory)に注目した。この方法で、ロボットが特定の目標に基づいて、特定の行動をするように設計、プログラミングした。そして赤ちゃんの目的が、彼らの行動を介して表現されるように、逆設計した。
研究を進めているカリフォルニア、サンディエゴ大学機械認知研究所ハビエル・マーブルラン(Javier Movellan)博士らチームは、長年にわたって人間に非常に近いロボットを作るためにプログラミングに注力してきた。その制御理論の分析によると、研究対象13人の赤ん坊のうち11人が何かしらの意図を持って笑っていたという事実が明らかになった。
論文の共著者であるマイアミ大学のダン・メッシンジャー(Dan Messinger)博士は、研究資料に基づいて、母子の相互接触時に生じる短い沈黙の時間の、赤ちゃんの反応をモデル化した。彼は「今回の研究が独創的なのは、これまでの母子の相互関係研究に比べて、様々なパターンを示した点」とし、「赤ちゃんは生後四ヶ月が経過していなくても、母親との相互接触の中で、目的を持っているということを発見した」と述べた。