ドローンの実用化が進むことが期待される半面、犯罪やテロへの使用に懸念が高まる中、NECが新たな警備システムを開発したと各メディアが報じた。
今回、NECは画像処理技術や電波技術を利用して、1㎞先からドローンを発見できる警備システムを開発した。正体が分からず疑わしい飛行物体を事前に検出することで、施設警備を強化しようという狙いだ。
同警備システムは、ビッグデータを自動的に分析し規則性を発見するマシーンラーニングの機能も搭載されている。ドローンを正確に感知して判別、飛行している機種が何かまで自動的に追跡する。
警備システムはドローンを検出し、施設に接近すると警報を発する。また、ドローンを操縦している電波発信位置も追尾する。言い換えれば、飛行する機体だけではなく、操縦者も特定が可能になるとされる。12月頃から普及に乗り出し、原子力発電所、空港などの主要施設に供給、2020年に売上100億円目指す計画だ。
現在、日本国内では疑わしいドローン飛行を発見した場合、他のドローンを利用して網で捕獲したり、電波の周波数を確認して妨害電波で迎撃、飛行能力を無力化する案などが検討されている。
これまで、多くの先進国で、国の主要施設にドローンが接近する事件が相次いでいる。日本の首相官邸や米ホワイトハウス、フランスの原発施設付近でドローン墜落事件、または目撃談などがある。ドイツでは13年9月に、メルケル首相のわずか数メートルまでドローンが接近、墜落する事件が起こっている。台湾のシンボル・台北101にも、ドローンが激突する事件が起きている。
その他にも、国際社会ではドローンを使った麻薬運搬や、刑務所受刑者への違法な物資運搬などが問題となっている。もしNECが開発した技術が普及すれば、国会などの主要施設だけではなく、国境や刑務所などにも導入される可能性が出てくる。今後、悪質なドローンの使用を封じるセキュリティーの技術が、新たな需要として広がると予想される。
(ロボティア編集部)