新次元に入った電子皮膚、ロボットの皮膚として活用の道も

ロボティア編集部
ロボティア編集部

電子皮膚(electronic skin)のイメージ
photo by exergynews.com

 スマートフォンやスマートウォッチの普及により、モバイルヘルスケア分野に注目が集まりだして久しい。モバイルヘルスケアとは、携帯通信機器を利用した医療健康サポートシステムのことで、持ち歩き可能なコンピュータを通じて身体の変化を検出、離れている医療スタッフから治療サポートを受けたりすることができる。

 現在、モバイルヘルスケア分野の研究・開発がさらに進んでおり、人間の皮膚とコンピュータを結合する「電子皮膚(Electronic Skin)」の存在が現実のものになろうとしている。

 電子皮膚は、各種センサーやメモリで構成された薄い電子回路を、人の皮膚に装着するものである。もともと、 1970年代に障害者用義手にセンサーを取り付けたことからその可能性が模索されはじめたが、2000年代に入り一般の人間の手にも応用できる可能性がでてきた。

 電子皮膚の課題として“固さ”の問題があった。というのも、肌に直接張り付けるためには伸縮性が高くなければならない。炭素成分の有機半導体が最も適した素材であったが、シリコン製の半導体よりも処理速度が遅いという難点があった。

 2011年、米国イリノイ大学材料工学科のジョン・ロジャース教授の研究チームは、学術誌「サイエンス」に、この伸縮性の問題を解決したと発表した。研究者は、薄く作られたシリコン回路をゴムのように伸びるようにした。ステッカーのように貼ることができるその電子皮膚には、筋肉の電気信号を感知して心拍数を診断するセンサーが搭載されていた。

 以降、伸縮性の高いシリコン電子回路を利用した電子皮膚が次々に登場している。一例では、米ネブラスカ大学リンカーン校の研究チームが開発した「乳がん診断用電子皮膚」。カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究者が開発した、未熟児の脳損傷を診断する電子皮膚などがそれだ。また最近、ロジャース教授のチームが、てんかんや睡眠障害を患う患者の脳波を検出するための、こめかみに貼る電子皮膚を開発した。