ロボットベンチャー・SEQSENSEに聞く「日本の警備用ロボット」の未来

-警備用ロボットを実用化していく場合、技術的側面でネックになりそうな部分は?

中村:基本的に、クライアントの皆様とコミュニケーションしながら開発を続けていけば、望まれている機能はほとんど開発していけると考えています。あえてネックになりそうな側面を挙げるとしたら、認識系でしょうか。画像認識の精度などがそれにあたります。例えば、空港で警備をしていたと仮定して、パスポートなど比較的小さなものが落ちていた際にしっかり認識できるかなどですね。現段階では、人間やペットなど動くものの認識は問題ありません。そのレベルであれば、大学の実験レベルですでに実装が済んでいます。

-海外ではすでに警備用ロボットがショッピングモールや駐車場などで実用化されていると聞きます。海外競合他社の製品と御社製品いついて、どのように比較・分析されていますか

佐伯:米国企業だとナイトスコープ(Knightscope)、コバルト(Cobalt)が有名ですが、彼らは想定される顧客や現場にターゲットを絞り、技術を調整していく動きを強化しているように見えます。おそらく、フェーズとしては我々と同じような状況ではないでしょうか。つまり、米国企業も製品レベルでものを作りましたというのが一昨年や昨年の状況で、現在は実際に警備に適用できるのか、もしくは自分たちが考えている技術がサービスとして使ってもらえるかなど、実際に稼働しながら並行して市場に出していこうというフェーズだと思います。

例えばナイトスコープは、昨年の売り出しの頃に、携帯している銃を発見する機能を追加するというような趣旨の告知をしていました。が、今はそのような話はおそらくホームページ上からも消していて、実際に使える機能や、現場に即して投入した機能をアピールしている印象です。当然、銃を発見できるに越したことはないのですが、クライアントの求める要求はそこじゃないというか。ナンバーを記録するとか、そういう細かいところが重要のような気がします。

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それでも、実際に顧客のニーズがどこにあるかは、警備用ロボットを現場に投入しないと分からないものです。ナイトスコープのロボットが誤って池に飛び込んだというニュースが話題になりましたが、あの事例のように現場によって技術的に調整しきれない場合、ロボットがミスを犯す場合もありえます。

一方で、あらゆるタスクをこなせる汎用的な機体をつくるのは効率的ではないですし、エンジニアサイドとしても許容できません。結論的に、警備用ロボットを開発する世界の企業は、導入する現場の大きさ、広さ、内容によって、ひとつひとつカスタマイズしているフェーズだと言えると思います。

河鐘基

記者:河鐘基


1983年、北海道生まれ。株式会社ロボティア代表。テクノロジーメディア「ロボティア」編集長・運営責任者。著書に『ドローンの衝撃』『AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則』(扶桑社)など。自社でアジア地域を中心とした海外テック動向の調査やメディア運営、コンテンツ制作全般を請け負うかたわら、『Forbes JAPAN』 『週刊SPA!』など各種メディアにテクノロジーから社会・政治問題まで幅広く寄稿している。