ロボットベンチャー・SEQSENSEに聞く「日本の警備用ロボット」の未来

-警備用ロボットと言えば、ロボコップみたいなスーパーロボットを想像してしまいますが、実際には現場ごとに細かい調整が必要なんですね。それでは、SEQSENSEでは今後、警備用ロボットにどのような機能を具体的に持たせていこうと考えていますか。

中村:現状でも、警備用ロボットが当然クリアしていてしかるべきだと考えられている自律移動に関しては、ほぼ問題ないレベルで機能しています。そこから先、プラスαで何が具体的にできるかというのが、クライアントの皆様のリアルな要望になってきています。

我々としてはまず、環境に合わせて巡回する機能の精度を段階的に上げていきたい。また、開発を考えている機能のひとつに「不審者検知」があります。これは、事前に登録したデータベースなどから顔認証を行うというレベルの機能はすでにあるのですが、我々としてはもう一歩進んで、「不審ではなかろうか」という対象やその動きを発見する予防機能を想定しています。「DEFENDER-X」(注1)のような機能ですね。ただし、どのレベルまでその機能を洗練させていくかについては、現場や需要に応じて絞り込みをかけている段階です。

また将来的には、物理的な危険物を処理したり、カラーボールを投げるというような機能もあり得るのではないかと考えています。

※注1:【DEFENDER-X】人の精神状態(感情)を自動的に解析し、犯罪の可能性がある人物を事前に検知するセキュリティシステム

-警備用ロボットを商用化していくにあたり、どのようなビジネスモデルを想定していらっしゃいますか。

中村:さすがに売り切りでおしまいということはありません。アマゾンで売られていたら困りますからね(笑)。基本的には、何かしらのバイバック契約を結び購入いただくか、もしくは3年スパンくらいのリース契約などを考えています。3年すれば新しい技術やタイプが出ていると思いますので。もちろん、メンテナンスまわりも充実させたい。それにクラウド接続もしていますので、ペッパーみたいに基本パック+ハイレベルな機能に関しては課金させていただくような形も考えています。例えば、顔認識ですとか現場に特化したレベルの高い機能については外部から取り入れて、ユーザーの皆様にはオプションとして別料金で購入いただくようなイメージです。

-警備用ロボット1台あたりの導入コストは、どのくらいを想定してらっしゃいますか。

中村:人間の警備員ひとりあたりのコストくらいを目指しています。どこまで何ができるかは別として、昼夜、充電している時以外は稼働し社会保険もいりませんと。事故を起こすことはほぼないですが、万が一、花瓶を押して倒してしまうというような軽微な事故があったときのことを考慮して、最終的に警備員の方をひとり雇うくらいのコスト、作業効率で整合性が取れるレベルまで寄せていきたいと考えています。

河鐘基

記者:河鐘基


1983年、北海道生まれ。株式会社ロボティア代表。テクノロジーメディア「ロボティア」編集長・運営責任者。著書に『ドローンの衝撃』『AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則』(扶桑社)など。自社でアジア地域を中心とした海外テック動向の調査やメディア運営、コンテンツ制作全般を請け負うかたわら、『Forbes JAPAN』 『週刊SPA!』など各種メディアにテクノロジーから社会・政治問題まで幅広く寄稿している。