ロボットベンチャー・SEQSENSEに聞く「日本の警備用ロボット」の未来

-ロボットから収集したデータを活用する案はありますか。

中村:収集したデータでロボットの機能の精度を上げるのはもちろんですが、商業施設などでも応用できると考えています。監視カメラなどと連動すれば人のリアルな流れが把握できますので、実用性はとても高いと思います。

-SEQSENSEの警備用ロボットの製品の特長や強みは?

佐伯:3次元空間認識がセンサーを使って実現できているという点と、それらデータをロボットが単に自律移動に使うというだけではなく、警備業のタスクをしっかり処理するために使えるという点が強みです。

大手メーカーが開発しているロボットは、古い技術を引っ張ってきているものがまだまだ多い。人間が指示・プログラミングした通りの経路を巡回しているに過ぎません。それだと、日々の変化の中で警備業務をこなしていくことが困難になります。例えば、ビルの一角に植木を置いたとしましょう。従来のロボットだと、それを回避する対象としてしか認識しません。ですが弊社のロボットは「置かれていなかったもの」という風にまず認識・処理する。つまり、環境の変化を日々、学習していくのです。

-SEQSENSEの警備用ロボットは、デザインも非常にユニークですね。あのような形になった理由は

佐伯:人のいる空間に入るので、邪魔にならない、違和感がないデザインを想定しました。あと警備員さんと同じ目線で日々の環境を見ていくとなると、ある程度の高さが必要になると判断し、身長は120㎝ほどに設定しました。

中村:実際、機体を小さくしようと考えれば、いくらでも小さくできます。ただ、人込みの中に入るという前提がある。カメラ的にも、120㎝くらいの高さが撮影しやすいんです。

佐伯:海外の場合は粗暴犯が多いので、威圧的な意味を込めて機体が大きいですね。ナイトスコープなどの製品も、もっと期待を小さくできると思いますよ。

中村:確かに。海外と日本では、警備の概念が少し異なる気がします。日本だと警備員が異常がないか現場を巡回するイメージ。いつもと変わりないことを確認するタスクが全作業の中で占める割合が大きい。海外ではより直接的に危険を取り締まったり、粗暴犯などを鎮圧するイメージがあります。各社会の状況や需要によって、警備用ロボットのデザインも変わってくるのかもしれません。

河鐘基

記者:河鐘基


1983年、北海道生まれ。株式会社ロボティア代表。テクノロジーメディア「ロボティア」編集長・運営責任者。著書に『ドローンの衝撃』『AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則』(扶桑社)など。自社でアジア地域を中心とした海外テック動向の調査やメディア運営、コンテンツ制作全般を請け負うかたわら、『Forbes JAPAN』 『週刊SPA!』など各種メディアにテクノロジーから社会・政治問題まで幅広く寄稿している。

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