メキシコ政府が、ブロックチェーン技術を活用した「公共事業入札の追跡プロジェクト」を進めていることが明らかになった。
メキシコの国家デジタル戦略担当者・ヨランダ・マルティネス(Yolanda Martinez)は、ハリスコ技術カンファレンスで、昨年9月から進められている「Blockchain HACKMXプロジェクト」の詳細を説明した。同プロジェクトは、公共サービス向上のためのブロック・チェーン・ソリューション大会で、大学生勝者チームが提出した草案をもとに生まれたものだ。メキシコ国内メディアの取材に答えたマルティネス氏は、ブロックチェーン技術は“腐敗”しやすい人間の担当者が与えるリスクを取り除き、公共分野に透明性をもたらすと強調した。
「公共の契約にブロックチェーン技術を使うことで、私たちは政府に信頼できるサービスを提供する企業か否か把握することができる(中略)公共契約の入札プロセスの透明性も確保することがでる」(ヨランダ・マルティネス氏)
マルティネスはまた、「ブロックチェーン技術を使用して入札プロセスの情報を積み上げることができる。今後、その記録は監査にも利用されるだろう」と付け加えている。
現在、同プロジェクトの技術的詳細は明らかにされていないが、ハイパーレッジャーファブリック(Hyperledger Fabric)、ビットコイン(Bitcoin)、イーサネットリウム(Ethereum)、チェーン(Chain)、ネム(NEM)など、様々なブロックチェーンプラットフォームの活用が検討されているという。
メキシコでは、ブラジルの大型建設会社・Odebrechtが、現メキシコ大統領、エンリケ・ペーニャ・ニエト氏の政治キャンペーンを支援するため賄賂を贈ったという疑惑が浮上しており非難が集中している。ブロックチェーンは、そのような公共の問題を防止し透明性と革新をもたらすか。国民の関心の的となりそうだ。
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