中国テック企業が非難されても「美人枠」採用の理由...欧米は性差別と批判

ロボティア編集部
ロボティア編集部

■欧米の人権団体から批判が集中

そんな中国の求人広告や過度に女性に容姿を求める傾向について、欧米の人権団体からは批判が噴出している。米非営利団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は、2013年から今年まで、中国企業の求人広告3万6000件を分析。その結果、セクシーな女性の写真や刺激的なフレーズが過度に多く、性差別的であると批判した。

「中国では性差別的な求人広告がしつこく続いている。(アリババ、テンセント、バイドゥなどの)中国企業は世界的なレベルを備えたと主張しながらも、時代錯誤的な戦略に依存している」とHRWの中国担当者は強調する。

この批判に対し、アリババ側は性別に関係なく平等な雇用政策を実施していると反論。全体の従業員の47%が女性であり、管理職の3分1が女性だと説明したが、指摘された求人広告については厳密に見直したいとの立場を示した。バイドゥも、問題の求人広告は報道される前にすべて削除したとし、職場内の平等に対する同社企業の価値を反映したものではないと釈明している。

グローバルにビジネスを拡大しているのにもかかわらず、そして国際的な非難があることも認めつつ、なお求人広告や採用基準に対して「美人枠」を設け続けている理由はどこにあるのだろうか。

中国企業が「美人枠」採用を設けるのは、取引先に好印象を与えるためという名目もあり、来客があるときには白人のキャストを雇う企業もあるという。とはいえ各企業の求人広告の中身やメディアの解析記事を見ていると、その主な理由が「優秀な男性社員の確保」と「男性社員の生産性向上」のふたつを狙ったものだということも見てとれる。熾烈な競争の中で、優秀な男性エンジニアを採用するための戦略である。

アリババは2017年1月、Weiboの公式アカウントに広告を掲載。そこには、挑発的なポーズをとる美女の姿とともに「彼女たちはあなたの同僚になることを望んでいる。あなたもそれを望むか」というフレームが盛り込まれている。

テンセントも2016年に米国法人のSNSアカウントで、「私がテンセントに入ったのは本能的な衝動(中略)。面接官と人事課職員がとてもキレイだったから」という内容の求人広告を掲載したことがある。バイドゥも同年、「美しい女性と一緒に仕事できて毎日幸せ」とする男性社員の姿をSNSアカウントにアップしている。

ニューヨーク・タイムズは、コミュニケーションが苦手な男性エンジニアのための「美人マッサージ師」の存在をレポートし、米ネットメディアKOTAKUでは、エンジニアを鼓舞するための「美人チアリーダー」を雇うIT企業が現れたと報道している。