英エセックス大学のロボット専門家は、国内ゼリーメーカーと協力。農場でイチゴを収穫するロボットの学習方法を研究している。イチゴはフルーツの中でも特に柔らかくなりやすく収穫が難しいとされている。
英国の農場では作業者を確保できず、約20%のイチゴを無駄にしている現状がある。EU離脱後、その傾向はさらに悪化しており、人間による作業以外の解決方法や代替案が強く望まれている。
コツを掴んだ人間の作業員がフルーツ取るのは難しくない。しかし、ロボットにとっては越えなければならない問題がたくさんある。エセックス大学・電子工学科のVishuu Mohan教授によれば、イチゴは時間の経過によって形状、大きさ、熟度が異なるため、環境を完全に制御することは不可能だとする。そのような条件下で熟したイチゴを正確に識別しつつ果実がなっている場所を認識し、うまく切り取る(モーション計画)というのが課題となっていると説明する。
例えば、人間が数秒以内にイチゴを摘むことができるが、ロボットが実用化されるためにはそれら速度はもちろん、精度や効率など証明する必要がある。とはいえ、非現実的ではない。すでに、キュウリ、トマトなど野菜を収穫するロボットは徐々に実用化されているし、いずれイチゴの収穫にもロボットが使われる日が訪れるはずである。
ベルギーのロボットメーカー・Octinionは、エセックス大学が開発しているロボットと同様のイチゴ収穫ロボットを開発中で、来年までに100以上の温室に供給する計画だとしている。
現在、エセックス大学の研究者たちは、イチゴを正確に識別・接近できるようロボットに学習させているが、次のステップは茎を効率的に切断できるエンドエフェクタを開発するっことだ。プロトタイプは今後数ヶ月以内に公開される予定となっている。
Photo by Youtube