心に寄り添う人工知能が続々登場...機械は人間の真のパートナーになれるか

ロボティア編集部
ロボティア編集部
Photo by soul machines HP

人工知能は各病気の診断を支援する用途で使われ始めて久しいが、昨今ではうつ病などの状況を診断しつつ相談にまでのってくれるサービスが現れ始めている。

スタンフォード大学の心理学者チームで構成されスタートアップ・woebotはAI相談プログラム「woebot」を開発している。会話を通してうつ病を治療する目的で開発されたもので、Facebookメッセンジャーを通じてサービスが提供される。

興味深いのは、相談が始まる前に「驚ろくかもしれないが、私はロボットです」「私はあなたが必要とするほどスマートでなく、理解力が不足しています」というような言葉をかけることで、ユーザーの“心の敷居”を下げるよう配慮する点だ。

woebot のAlison Darcy代表は公式ブログで、woebotは人間のセラピストを絶対に代替しないし、そもそもさせようともしていないと説明している。問題はカウンセリングがうつ病に役立つにも関わらず、全世界で数百万人の人々がその機会を逃していることとし、自社独自の方法でサービスを提供していきたいとしている。現在、woebot の利用者は130カ国、16〜90歳のユーザー数十万人に及ぶそうだ。

一方、ニュージーランドのスタートアップ・Soul Machinesは、障碍者のためのチャットボット「ナディア」(Nadia)を開発している。モニターの中に人間の姿で現れるNadiaは、ウェブカメラを通じてユーザーの表情を認識する。経験的に蓄積されたデータは学習に利用され、多くの人々と対面するほど感情理解能力が向上していく。なお、Nadiaの声は女優・Cate Blanchett)などが担当。人工知能や音声会話の技術はIBMの「ワトソン」が採用されている。

機械やソフトウェアが「人間の感情を理解できるようになるか」という問いの答えは、すでに「YES」に限りなく近づいている。むしろ、特定個人の家族や親しい友人が見抜けない感情すら正確に分析するようになっていくとのレポートや研究事例が増え始めている。そこから一歩先に進み、「人間の心に寄り添うことができるか」「人間の感情に配慮することができるか」というのが、機械やソフトウェアに課された今後のテーマ設定になるのかもしれない。一方、「AIに心を許す」、「AIを信じてアドバイスを実行する」などについては、人間側の”受容の問題”とも言えよう。デカルトのような徹底的な懐疑論者は別として、電卓の計算結果を疑う人はもはやこの世に皆無。同様に、数年後にはAIを疑う人はいなくなるのかもしれない。いずれにせよ、人間の心と人工知能というテーマは大きな可能性と課題を秘めた分野になっていくはずである。