ひとりで遊ぶロボットで児童心理学を人工知能研究に応用

ロボティア編集部2015年10月29日(木曜日)

 米カリフォルニア大学バークレー校の研究室には、ブレット(BRETT)というロボットがおり、レゴのようなブロックや飛行機のおもちゃを持って遊んでいる。ただし、暇だから遊んでいるという訳ではない。ブレットは、幼児や乳児と同程度の知能を兼ね備えたロボットで、ディープラーニングなどの研究のために作られたものだ。

 ブレットは遊びを通じて複数の課題を解決するための方法を学習する。これは、子供がおもちゃで遊びながら試行錯誤を繰り返し、物事の構造と法則を理解する過程と似ている。

 この研究の目的は、児童心理学を人工知能研究に応用することにある。知能を持つ生物は、感覚器官から脳に伝わる刺激と、もともと持ち合わせた知識を結合して、脳の中に特定の回路を生成する。この作業を蓄積することで、帰納的推論など高度な思考ができるようになる。

 人工知能ニューラルネットワークは、このような生物が知識や知恵を得る過程を模倣している。研究を進めているピーター・アビール(Pieter Abbeel)教授は、同研究が将来ロボットの自律移動や制御に役立つものと期待を寄せている。