米政府が世界初認可、ヤマハ発動機の無人機(ドローン)開発秘話

米政府が世界初認可、ヤマハ発動機の無人機(ドローン)開発秘話

Written by 河鐘基

Posted date:2015.11.19

ヤマハ海外での取り組みドローン
Photo by 国土交通省HP

「米国のワイナリーだと年間10回くらい散布する。その都度、農薬が違いますし、ワイナリーによっても異なる。日本ほど厳しくはありませんが、それぞれ効果があるのか試験工場でテストして実用化まで持って行くのです。もちろん、新しい農薬が開発されれば、その都度テストします。それで改良が必要となったら、農薬を改良したり、機体を改良しながら、組み合わせをじわじわと摺り寄せて行くんです。米国や豪州だと、州毎に認可制度が異なる。ひとえに無人機の認可と言っても、気が遠くなるような作業ですよね。また農薬の問題以外にも、クリアしなければいけない問題は多々あります」

 現在、ヤマハ製の農薬散布用無人機は、日本国内で2700機が導入されており、全圃場(水田)の36%に散布を行っている。また、韓国で200機、オーストラリアで数十機が導入されているという。年間販売台数は300機ほどだが、今回米国で認可が下りたことから市場のさらなる拡大が期待されている。坂本氏はそのような現状も、30年以上にわたって培われてきたものだと話す。

「最初は事業として採算を考えられる次元ではありませんでした。そこから、無人小型ヘリを安全かつ効率よくビジネスとして成立させられる枠組みを、農林水産省と農林水産航空協会、そして我々の3者でひとつずつ作っていったんです。もちろん、JAや全農とも協力も不可欠でした。その積み重ねで現在に至っているというわけです」

 これもあまり知られていない事実だが、海外で農薬散布に無人機を使っている国は、ヤマハが進出した地域だけだという。ヤマハ発動機は、競争相手がいない孤高な研究開発の道を一歩ずつ歩んできたことになる。

「実は、我々の会社では何か早くやり過ぎて失敗することも多いんです。無人機については、時代が受け入れはじめたので幸運だったとい言えるかもしれません」

 そんなヤマハ発動機の経験は、日本のドローン産業の躍進にとって大きなマイルストーンになるのではないだろうか。そこで坂本氏に、ドローンの普及に必要な課題について聞いてみることした。

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