知能型ロボット(インテリジェントロボット)の価格低下により、中国など人件費が安い国に海外展開されてきた自動車工場が今後、ヨーロッパやアメリカなどの先進国に回帰するかもしれないという主張が出てきた。
20日、英ロイター(Reuters)通信は、自動車部品メーカーであるマグナ(Magna)の最高経営責任者ドナルド・ウォーカー(Donald Walker)氏の言葉を引用した。
ドナルド・ウォーカー氏は「中国の賃金上昇とバッテリーなどの部品を欧州に出荷するコストが上昇している現在の傾向を見ると、自動車メーカーが従来よりもはるかに効率的な製造方法および拠点をヨーロッパ付近に設ける可能性がある」と述べた。配送コストが増えた理由としては、ハイブリッドと電気自動車が開発されバッテリーが大きくなり重くなった点などを挙げた。
ドナルド・ウォーカー氏はまた「賃金と配送コストの両方が高い状況を考慮すると、決定はすでになされたものと考えてよい。世界中の手作業労働者が、インテリジェントロボットに代替されるのは時間の問題」と述べている。
ロイター通信はまた、ボストンコンサルティンググループの資料を引用して、米国、韓国、日本、中国など、既に産業用ロボットを配置している国の製造人件費が2025年までに18〜33%ポイント減少すると伝えた。
©Aaron Vincent Elkaim / THE CANADIAN PRESS