セコム、世界に先駆けるドローン警備サービス誕生の裏側

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小松崎常夫所長

「こちらにどうぞ。まぁ、ロボットと人間の話をしだしたら、最低でも5時間位はかかっちゃいますが……大丈夫ですか?はっはっはっ」

 こちらの緊張した様子を察してくれたのか、気さくに話しかけながら席に着く小松崎所長。一変、「なんでも聞いて下さい」と、真面目な表情でこちらを見つめた。早速、質問をぶつけてみる。まずは、ドローン開発の理由と沿革からだ。小松崎所長は言う。

「セコムには創業から続くミッションが3つあります。異常の早期発見、正確な状況把握、そして迅速な対処です。それらを実現するために、空からモノを見るという方法は非常に有効な手段だと考えていました」

 小松崎所長は、監視カメラを例に説明してくれた。監視カメラは、現場において有効な道具であるものの、場所が固定されるという条件がある。そのため、見たいものを常に見られるという訳ではない。ある意味、不確実性がある。防犯、防災などのサービスを提供する側からすると、見たいものをいつでも見たり、見たい角度から見るというのが最終的な目標となる。そうなると、ドローンの方がより理想に近い道具になるという。

「これは警備分野以外においても同じことが言えます。そのような判断があり、5年くらい前からドローン研究をはじめました」

 セコム社は現在、セキュリティーだけではなく防災や医療、高齢者向けサービスなど幅広い事業を展開している。そのどの分野においても、空からの視点は、非常に高い潜在力を秘めているという。現在では、すでに警備用ドローンを開発するまでにいたったセコムだが、そもそも空からの視点の有用性を意識したのはなぜなのだろうか。その点について、小松崎所長は「とある企業との提携がきっかけ」だったと話す。

河鐘基

記者:河鐘基


1983年、北海道生まれ。株式会社ロボティア代表。テクノロジーメディア「ロボティア」編集長・運営責任者。著書に『ドローンの衝撃』『AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則』(扶桑社)など。自社でアジア地域を中心とした海外テック動向の調査やメディア運営、コンテンツ制作全般を請け負うかたわら、『Forbes JAPAN』 『週刊SPA!』など各種メディアにテクノロジーから社会・政治問題まで幅広く寄稿している。