Googleサンダー・ピチャイCEOがAIなど様々なテーマを語る

ロボティア編集部2015年12月16日(水曜日)

 韓国・ソウルを訪問したGoogle最高責任者サンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)氏は12月15日、江南にあるGoogleキャンパスで行われた講演会(Fireside Chat with Pichai)に登壇した。

 ピチャイ氏は1972年にインドで生まれ、インド工科大学カラグプル校(IIT)で工学士の学位を取得、その後、スタンフォード大学で理学修士(MS)、ペンシルヴェニア大学で経営学修士(MBA)の学位をそれぞれ取得した。今年8月からは、Googleの新CEOに就任している。

 ピチャイ氏は講演会の席で、話題の人工知能(AI)について次のように話した。

「わたしの使命は、世界中のすべての情報を体系的に整理すること。 Googleフォトが、そのひとつの例となります。そのため、今後はマシンラーニング、人工知能(AI)技術が必要になる。今後2、3年の間に、マシンラーニング、AIの分野に投資し多くの変化を引き起こしたい」

 またピチャイ氏は、「AIがユーザーに恩恵をもたらせるように、アルファベット社(Alphabet=グーグル持株会社)会長とともに悩んでいる最中だ」とした。

 なお、現在、世界中で懸念されている「AIが人間の仕事を奪うのでは」という懸念については、「ライト兄弟が翼の付いた自転車飛行機を開発したとき、人々は自転車に乗る子供たちが怪我しないか心配した。それと同じように、新しい技術に対して人々は心配しがち」としながら、「AIについて深く考えを巡らせながら開発を進めれば、人々を助ける技術として進化するだろう」と予想した。

 ピチャイ氏はその場で、Googleの哲学にも言及した。「Googleの検索サービスは、貧困国の田舎の子供から、名門大学教授まで、すべての人に同じ検索結果を提供する」とし「すべての人々のために、製品やサービスを提供することがGoogleの理念および任務であり、今後、自律走行車を開発するのもそのためだ」と述べた。自動走行分野に関しては、「毎日起きる交通事故による死者を、自動走行は解決できる」と言及した。

 その他の注目すべき発言としては、Googleが今後、教育コンテンツを継続的に拡大する方針であると明言した点だろう。ピチャイ氏「Googleカードボードのようなバーチャルリアリティ(VR)機器は、教室でピラミッドを見せられるようにするなど、過去とは異なる教育環境を提供する」とし「今後より多くの人々に、Googleの技術を活用した教育サービスを提供してするだろう」と述べた。

 アジアで唯一韓国に「Googleのキャンパス」を設立した背景としては、「韓国のユーザーが(Googleが開発した)新しい技術を受け入れるために拒否感がないうえ、サムスン、LGなど韓国の大企業と長期的なパートナーシップを結んでいるため 」と説明している。なお同講演会には、ベンチャー企業関係者や一般人など200人が参加した。

 同講演会では自身の価値観にも言及。「仕事に慣れたり、居心地がよい人々とだけ仕事をしても成長できない」とし「可能であれば、自分よりスマートな人々とともに働き、刺激を受けながら成長すべき」とした。