アジア最大規模のドローン展示会「ドローンショー・コリア2016(DRONE SHOW KOREA - 2016)」が、釜山・海雲台にあるBEXCOで開催された。1月28日から30日までの3日間開催される今回のイベントでは、韓国国内外の56企業および団体が200以上のブースを設置した。主催は産業通商資源部と釜山市、主管はBEXCOと韓国無人機システム協会だ。
ロボティア編集部の記者が現地を訪れたのは29日の金曜日だったが、平日にも関わらず多くの来場者が訪れていた。
今回の展示会では、軍事用の無人ドローンだけではなく、農業、土木・測量、物流、災害防止、海岸監視、映画撮影などにいたるまで、さまざまな機能を搭載した最新のドローンが披露された。
会場で最も大きな注目を集めたのは、韓国航空宇宙研究院(KARI)のブースだ。約10種のドローンが華やかに配置されていたのだが、特に目を惹いたのは大型のティルトローター・ドローンだった。
重量が200kgもあるこのドローンは、垂直離着陸が可能な機体としては世界で2番目に開発されたものだという。このティルトローター・ドローンは、狭いスペースでも離着陸が可能なので、山が多い韓国で有用になると期待されている。
自治体と共同でドローンの開発を進めている企業も散見された。例えば、江原道寧越市と業務契約を結んだユーコンシステム(Uconsystem)だ。市内の寧越郡はドローン飛行システムのモデル事業をテストできる地域。ユーコンシステムを含む5つの企業が、農業、物流などの各産業分野でドローンのテストを行っている。
ユーコンシステムはテストを行っている機体の中から、軍用「ティーローター」や農薬散布用、また宅配用ドローンなど、幅広い用途のドローンを披露した。
また韓国を代表する航空会社・大韓航空は、ステルス無人戦闘機の模型や無人ヘリなどを展示。ハンファテックウィン(HanWhaTechwin=旧SamusungTechwin)は、軍および警備用ドローン「キューブコプター」を紹介した。
中小企業の製品も注目を集めた。ジェイワイシステム(JYsystem)は、土地測量用ドローンを披露。測量時の誤差は1.5cm〜5cmという高い精度を誇る。この測量システムには、カメラに撮られた画面のピクセルを座標点にして測量するというアイデアが採用されているそうだ。
イベントには、韓国各大学の学生用にもスペースが用意された。釜山大学をはじめ、釜慶大学校、韓国航空大学校、昌信大学校などの大学生が参加、ドローン製品を披露した。
先日オープンした国立釜山科学館は教育プログラムを展開。ドローン製作コーナーでは、3Dプリンタを使いドローンを作る講義を行い、人気を集めた。その他にもシミュレーター体験コーナーや、ドローン体験コーナーなども設けられた。
(構成:ロボティア編集部 写真:HANA LEE)