米海軍「ロボット潜水艦でロシア潜水艦を捕獲する」

ロボティア編集部2016年2月15日(月曜日)

 米海軍がロボット潜水艦でステルス潜水艦を捕獲する計画だ。デイリーメール(Daily mail)など海外メディアは12日、米海軍がきたる4月初めからロボット潜水艦を導入し、米領海内で密かに活動するロシア製ディーゼル・エレクトリック式潜水艦を捕まえると報じた。ディーゼル・エレクトリック式潜水艦は、海中で騒音をほとんど出すことなく潜航することができる。空中を飛ぶステルス飛行機のように、その存在をキャッチことは非常に困難だ。

 今回、米海軍に導入されるロボット潜水艦の正式名称はACTUV(The Anti-Submarine Warfare Continuous Trail Unmanned Vessel)。全長は40mになるという。

米ロボット潜水艦

米国防高等研究計画局(DARPA)は、ロボット潜水艦は一度に3カ月間、数千マイルの潜航が可能と説明している。きたる4月、米オレゴン州ポートランド市で進水式を開き、本格的な活動に入る。 その後18ヶ月の間はまず、米海軍研究所などとともにこのロボット潜水艦の長距離潜航能力を試演することになる。DARPA側はACTUVが、偵察、機雷除去などの任務を引き受けることになると明かしている。

 DARPAは2010年に「米国沿岸で密かに活動している、敵国の騒音のないディーゼル・エレクトリック式潜水艦を追跡するために、132フィートの潜水艦を開発する」と発表していた。今年初めには、ロボット潜水艦開発会社レイドス(Leidos)社のエンジニアと、ミシシッピ川から64.75km離れた場所で6週間にわたりACTUVの性能をテストしてきた。このテストの過程では100種類の異なる状況のシナリオが想定された。

 米海軍のフランク・ドレナン(Frank Drenna)氏は「バッテリーで動作するディーゼル・エレクトリック式潜水艦の静かなエンジン音を捉えるということは、大都市の騒音のなかで乗用車1台が発する騒音を感知するほどのレベルの高い技術が要求される」と言及している。

レイドス_Leidos
photo by Leidos社HP

 一方、DARPAプログラムマネージャ、エリソン・アーバン(Ellison Urban)氏は昨年、バージニア州で開かれた米国防協会の定例イベントで、「ロボット潜水艦を導入した場合、追跡などのコストを削減できると期待される」と述べている。

 ロシアはほとんど騒音を発しないディーゼル・エレクトリック式潜水艦を2億〜3億ドルで販売している。アルジェリアがすでに2台、2020年までにベネズエラが5台、インドネシアが6台をそれぞれ注文する計画であることが分かった。また、イランは17台のディーゼル・エレクトリック式潜水艦を保有していることも明らかになっている。

 レイドス社は「このロボット潜水艦は私たちの軍隊の危険を減らし、またソナーの使用を制限することで海洋生態系への脅威を最小限に抑えることができる」とコメントを発表している。