うつ病や恐怖症に仮想現実(VR)を治療に応用する研究が進む

ロボティア編集部
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 ロンドン大学で臨床心理学を専攻するクリス・ブリュウィン(Chris Brewin)教授は「最近、仮想現実を通じた“自己批判(Self-criticism)”という治療方法を、摂食障害(eating disorders)など、精神疾患を抱えた患者の治療過程で導入する問題をめぐり、医療スタッフの間でさまざまな意見が交換されている」と述べている。

 一方、レディング大学ポール・シャーキー(Paul Sharkey)教授は、痛み(pain)の治療で、バーチャルリアリティーの導入が具体化しはじめていると話す。また昨年、米国ではすでに、バーチャルリアリティーをアルツハイマーの治療に導入する実験も行われているそうだ。

 医学界では、仮想現実を他の神経系の症状の治療にも適用することが可能だと見ている。カナダの研究者は現在、眼圧の上昇で視神経が刺激されたり、血液の供給に障害が生じる緑内障などの治療に、バーチャルリアリティーを導入する道筋を模索している。

 医療には安全性や慎重さが要求される。仮想現実を通じた治療が実際に行われるには、まだ長い時間が必要かもしれない。が、それでも病気に苦しむ人にとっては新しい光明になる可能性が高い。医療分野で仮想現実がどのような役割を果たすのか。注目したいイシューだ。