UBERが中国法人売却で自動走行or飛行物流分野に進出!?

ロボティア編集部2016年8月3日(水曜日)

 配車サービス大手ウーバー(UBER)が、中国企業「ディディチュシン(Didi Chuxing=滴滴出行)」に中国法人を譲渡、その売却資金で、自律走行もしくは無人飛行技術を使った物流事業に、本格的に進出するとの予想が出てきた。

 中国メディアは、昨日、米ウーバーCEOトラビス・カラニック(Travis Kalanick)氏が、ウバーチャイナのスタッフにメールを送信し、「今回の合併で、食品や物流を無人で輸送する未来の技術を手に入れる道が開かれた(中略)私たちは、無人運転の技術を通じ、食品運輸と物流を実現することができるだろう」と書いたと報じた。

 ウーバーチャイナとディディチュシンが合併した企業の価値は、約360億ドルと推算されている。ウーバーチャイナの株式を保有するウーバーと中国企業・百度をはじめとする投資家は、同企業の株式を20%保有することになる。

 ウーバーは、ディディチュシンより1年早く、中国で車両共有サービスを開始した。しかし、現地化された機能、強力な投資家、現地の規制当局とメディアのサポートを受けたディディチュシンに押され気味だった。

 ウーバーは今後、中国ではなく、インド市場の攻略に集中するという予測が出ている。というのも、インドの人口は世界人口の6分の1を占めるが、人口1千人あたりの車両台数は30台で、自家用車を保有している割合が非常に低い。そのうえ、中間層が成長ており、インターネット経済も活性化しており、配車サービスの成長にとって環境が整っている。そのため、今後は、ウーバーとインド現地の競合企業との熾烈な競争が起きるとも予想されている。