DJI製ハイエンドドローン・M600が暴走、専門家たちも懸念の声

ロボティア編集部2016年8月27日(土曜日)

 DJI製ドローン・M600が暴走するシーンを収めた動画が公開され、一部の専門家の間で問題視されている。先日、とあるFacebookユーザーのタイムラインに、同機が暴走した動画(後に削除)、および当時の状況をまとめた文章が公開された。概要は以下の通りだ。

「97年からRCショップを経営してきて、数多くの状況を経験してきました。これまで、噂で聞いていただけのようなこんな出来事がまさか目の前で起こるなんて…。

 M600はほとんど組立が完成しており、別段(こちらで)やることはありません。同機の取り扱いは4台目ですが、こんな状況が発生しました。

 分かり切ったことでしたが、DJI側は『こちらの責任はない』と話しています。結局、わたしの失敗ということに…。私はドローンを始動させただけなのですが…。

 M600は全体の長さが167㎝で、直撃すれば無事ではいられない機体です。この機体は研究所に納品予定の機体でしたが、もしテストなしで納品していれば大事故が起きていたかもしれません。

 わたしは個人ユーザーではありません。長い間、DJI製品を取り扱ってきた立場です。『こんなこともあるのか』と諦めようとも考えました。しかし、修理もできませんし、約64万円の機体をどうすることもできずにいます。

 最低限、こちらのミスではないということだけでも認めてもらって、DJIから謝罪を受けたいと考えています。お金はまた稼げばよいですが、こちらのミスだとは認めることはできません。

 もし一般人であれば、トラウマで二度と操縦機を握れないかもしれません。私はそれでも、M600を販売して(ショップを)運営しています」

こちらの動画を見た日本のドローン専門家からは、次のような指摘も。

「DJI製品はここ数年機体の精度が上がっていて、急な墜落などの不具合も一時期減りました。しかし、最近、この手の大型機で原因不明の墜落が起きているという話を、チラホラ耳にします。DJIには、多額の資金が投入されていますし、投資家などにせっつかれ、不完全な開発状況で機体を販売せざるを得ない状況なのかもしれません。いずれにせよ、大事故に繋がりかねないので、注意したいケースということだけは間違いないようです」

 なお、DJI社の説明によれば、M600はビデオ撮影用のハイエンド機体で、映画撮影用などに使用されるモデルとなっている。最大6㎏のカメラを積載し、最大36分間にわたり飛行ができるという。