韓国SKテレコムが、ハッカー出身の技術者を招聘し、音声認識ベースの人工知能アシスタントサービス「ヌグ(NUGU)」を強化するプロジェクトに拍車をかける。
SKテレコムは9月1日、人工知能エンジンと音声認識技術を搭載し、人間と対話・指示を実行する円筒スピーカー型機器「ヌグ」を発売している。9月21日には、顧客および専門家が人工知能の研究に協力することができる仮想企業=コミュニティー「ヌグ株式会社」を立ち上げた。このコミュニティーでは、誰でもサービスに関連した意見を自由に述べることができる。
同コミュニティーのCEOを務め、ヌグの開発プロジェクトを進めるのはイ・ドゥフィ氏。韓国では天才ハッカーとして有名な人物だ。ソウル大学コンピューター工学科出身で、大学ではコンピュータ・ネットワークのセキュリティ問題を専攻する。以前、同大学出身の芸能人で、日本でも有名なキム・テヒ氏の写真を流出させるハプニングを起こした張本人である。
今回のプロジェクトには、KAISTバイオ脳工学科のチョン・ジェスン教授、ソウル大学コンピューター工学科のチャン・ビョンタク教授、弘益大学産業デザイン学科のキム・スギョン教授、声優のイ・ソヨン氏、韓国言語協会のキム・ミンホ研究員らも参加。また、脳認知科学研究所、韓国認知科学産業協会、韓国照明デザイナー協会、韓国声優協会、韓国語情報処理研究室に所属専門家たちも関わる予定だ。
イ・ドゥフィ氏CEOは、10月からヌグに料理の注文・配達機能が追加されるとし、今後はIoT機器と連動させて様々なサービスを提供すると発表した。
「企業の研究者だけでは、人工知能の進化を期待するのは難しい。知識を集約させれば、短期間内で人工知能技術を成長させることができる(中略)提案されたアイデアは、ひとつ残らず実現可能かどうかを検討する」(イ・ドゥフィ氏)
一方、チャン・ビョンタク教授は「人工知能への関心が高まっているが、韓国にはまだしっかりとした市場がない(中略)ヌグは、日常における人工知能を体験する絶好のプラットフォーム。ヌグの発展に積極的に参加してほしい」とコメントした。