Nianticのジョン・ハンケCEO「VRよりARがエキサイティング」

ロボティア編集部2016年9月27日(火曜日)

 ポケモンGOを開発したナイアンティック(Niantic)のジョン・ハンケ(John Hanke) CEOは9月19日、米ITメディアのインタビューに対して「人間的にも、技術的にも、拡張現実は、仮想現実よりもはるかにエキサイティング。今後の発展可能性も高い」と述べた。

 バーチャルリアリティ(virtual reality・VR)は、コンピュータを利用して完全に新しい空間を演出。現実社会とはまったく別の場所に来たかのように感じさせる効果がある。しかし、ハンケCEOは「ヘッドセットを使ってみるバーチャルリアリティは、ユーザーを他人から遮断する。一方、拡張現実は(人を)家から外出させ、ショッピングなどさまざまな活動をするのに役立つ」とした。

「いつかはARグラスをかけて、目の前に現れるポケモンを捕まえることも可能になるだろう(中略)まだその段階にはいたっていないが、途中の過程に対応する製品をつくった」
(ハンケ氏)

 ナイアンティックが今月リリースした「ポケモンGOプラス」が、この製品に該当する。時計のよう手首に装着し、スマートフォンをオンにしていなくても、ポケモンの出現を振動で知らせてくれる。ナイアンティックはまた、アップル社製の「アップルウォッチ」でポケモンGOを楽しむことができるアプリも開発した。

 ヘンキCEOは創業者であり専門家だ。ゲームメーカー2社創業し、その後、3D地図ベンチャー企業・キーホール(keyhole)を創業した。 Googleは2004年にキーホールを3500万ドルで買収。この時、ハンケCEOはGoogleに入社し、キーホールのサービスはGoogleの衛星写真サービス「グーグルアース」の母胎になった。

 ナイアンティックは、ハンケCEOがGoogleの社内ベンチャーとして立ち上げた企業だ。昨年にGoogleから独立し、任天堂とともにポケモンGOを制作した。

 イングレスは、ポケモンに先立ち発売したAR型陣取りゲーム「イングレス」を開発したのだが、これについてハンケCEOは「ナイアンティックは、草創期からユーザーが興味深い場所を訪問するようにするゲームを開発してきた(中略)ゲームは部屋の中に閉じこもってやるのではなく、外に出て人と楽しみながらやるべきだ」とコメントした。

 現在、VR・AR技術は、ゲームだけではなく、不動産、医療などの分野でも利用が促進、また新たな使い方が模索されている。今後、どちらの技術がより人々の支持を得て普及するのだろうか。