ズームピザがロボット&新アイデア導入で米ピザ市場に挑戦状

ロボティア編集部2016年10月1日(土曜日)

 米シリコンバレー・マウンテンビューにあるピザ店・ズームピザ(Zume pizza)が注目を集めている。新興企業である同社は、ピザの調理・配達過程にロボットを導入。配達途中に、カリカリのピザを焼くというユニークなサービスを提供している。

 レストランを設立したのはジュリア・コリンズ(Julia Collins)氏と、アレックス・ガーデン(Alex Garden)氏。ガーデン氏は以前、マイクロソフトでXbox の開発を総括した人物として知られる。ふたりはロボットが作るピザで、390億ドル(約4兆円)の米ピザ市場に挑戦状を叩きつけるという目標で意気投合したという。なお現在、米国ピザ市場の40%は、ドミノピザ、ピザハット、パパジョンズ、リトルシーザーズなど大手企業が占めているという。

 YouTubeに公開されたズームピザの調理過程では、ロボットと人間が協力する。ロボットはソースを塗る作業や、オーブンにピザを入れる作業をこなす。一方、人間はピザの生地を作り、それをロボットに渡す。トッピングなども人間の作業だ。

 ズームピザの秘密兵器は、56個のオーブンが搭載されたデリバリートラックだ。部分的に焼かれたピザをデリバリートラックに積載。目的地到着4分前に最後まで焼き上げ、配達する。ズームピザはこの配達中に焼き上げる技術で、今年3月に特許を取得した。

 調理と配達にかかる時間は約22分。一般のピザの平均45分よりもはるかに速い。注文と支払いは、スマートフォンのアプリで行われチップの支払いもないという。今年4月にビジネスをスタートさせて以来、GoogleなどIT企業、スタンフォード大学の学生などが主な顧客になっている。新鮮な食材と20種類にもおよぶカスタマイズピザを作れる点が大きな反響を得ているという。

ロボット_zumepizza
photo by youtube

 ズームピザはデリバリートラックを備えた配送車を今年末までに2台増やし、配達地域も順次拡大。最終的に米国全土に展開する予定だという。

 最近、ピザ業界のロボット化、自動化はめまぐるしいスピードで進んでいる。ドミノピザは、世界初となるピザ配達ロボットを3月に開発。ニュージーランドでテストを行う。一方、ピザハットは今年の年末から、アジア地域の店舗で、会計にロボット・ペッパーを投入する計画だ。