世界経済フォーラムが提案「AI・ロボット時代」を生き抜くための16種類のスキル

 WEFは、そのふたつのカテゴリーを「社会・感性的学習能力(Social and Emotional Learning Skills=SEL)」と命名する。そして、4次産業革命が進めば進むほど、その能力の保有、啓発はますます重要になるものとしている。そして、産業界、教育界、政府などに対し、すべての人々が4次産業革命の受益者になれるように、教育、再訓練、スキルアップにのぞめるようにすべきだと主張している。

 WEFはこれらの技術に関して、国家間のギャップと格差を解消する方法にも関心を傾けている。 16つの能力分野で世界各国の学生を比較したとき、高所得国の学生が中・低所得国の学生に比べて、各領域で相対的に高い数値を示した。特別な例外としてはベトナムがある。ベトナムは、「基礎技術」ではドイツより、「能力的資質」の領域ではフランスよりも優秀さを示した。

 一方、国の経済水準で、スキルのギャップ・格差をすべて説明することができるわけではない。同じ高所得国間でも、格差が発生している。それら能力のギャップ・格差は、さまざまな要因によって発生する。貧困、社会葛藤、性差別など基本的な経済および社会問題は、やはり原因になる。

 国家レベルの教育政策と関連する要因としては、教育政策を仕切る政策実行者、教師資源(教師の資質、教師の訓練水準、専門性)、財源(国全体の財政のなかで教育予算が占める割合の重要性)、技術関連インフラ(新しいデジタルツール、インターネットを通じて提供されるコンテンツへのアクセス)などを挙げることができる。とはいえ、テクノロジーを活用すれば、国家レベルの教育政策で生まれる能力の格差は相当部分解消することができるというのがWEFの主張だ。

河鐘基

記者:河鐘基


1983年、北海道生まれ。株式会社ロボティア代表。テクノロジーメディア「ロボティア」編集長・運営責任者。著書に『ドローンの衝撃』『AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則』(扶桑社)など。自社でアジア地域を中心とした海外テック動向の調査やメディア運営、コンテンツ制作全般を請け負うかたわら、『Forbes JAPAN』 『週刊SPA!』など各種メディアにテクノロジーから社会・政治問題まで幅広く寄稿している。