1.7兆円の取引データを蓄積した「カード詐欺防止AI」70%以上の不正検出可能

ロボティア編集部2017年1月18日(水曜日)

 現在、日々、数十億件のカード取引行われていると言われる。その中では、少なくないカード詐欺が発生している。カード会社、IT企業などは、多くのアナリストを雇い、カード詐欺防止のために努力を傾けている。ただ、すべての詐欺を見つけ出すことは、物理的に非常に困難。不可能でさえある。

 ドイツのスタートアップ・フラウグスター(Fraugster)は、専門のアナリストの思考を模倣した詐欺を分析する人工知能を開発した。すでにビザカードを含む、さまざまな企業にサービスを提供しており、これまで150億ドル(約1兆7000億円)以上の取引を監視・処理してきた。

 フラウグスターの詐欺検出AIは、詐欺的なトランザクションを検出し、70%の詐欺行為を事前に遮断することができると説明している。既存の機械学習方式ではなく、実際の詐欺防止アナリストの思考を模倣した独自の人工知能アルゴリズムで、15ms=15/1000秒で詐欺かどうか判断する。

 名前、電子メール、請求先、配送先などの基本的なデータが入力されると、実際の取り引きが行われた内容と比較する。そして取り引きが行われた場所のIP待機時間、IP接続タイプ、既存のユーザー取引パターンなど、2000以上の追加分析情報を収集し、人工知能がリアルタイムで取引情報を分析する。

 フラウグスターの共同創業者であり、CTOを務めるチェン・ザミール(Chen Zamir)氏は、PayPalで5年など、リスク分析管理分野で従事してきた。イスラエル国防軍情報分析要員という独特の経歴の持ち主でもある。

photo by Fraugster