AI・ロボットの言語研究の注目すべきホープ−ジェフリー・ハインツとは

 とは言え、発話行動自体はそう単純なものではない。これから話す内容に対する計画プロセス、思考プロセス、注意プロセス、舌や唇を動かすプロセスなど、複数のプロセスのうえで成り立っていることを心に留める必要がある。

 ハインツ氏は近年急速に進歩しつつある自動運転技術も考慮の対象とするなかで、静的な環境のみならず、動的な環境での対応を可能にするロボットの開発を提案している。そのようなロボットを開発するにあたり重要になってくるのが「移動」の概念であり、例えば言語学者レナード・タルミー(Leonard Talmy)の理論が浮上するだろう。言語学的アプローチを通じて生まれる新たな知見に注目したい。

大澤法子

記者:大澤法子


翻訳者・ライター。1983年、愛媛県生まれ。文学修士(言語学)。関心分野は認知言語学、言語処理。医療・介護分野におけるコミュニケーションに疑問を抱いており、ヘルスケアメディアを中心に活動中。人間同士のミスコミュニケーションに対するソリューションの担い手として、ロボット・VRなどがどのような役割を果たし得るかを中心に追及。

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