とは言え、発話行動自体はそう単純なものではない。これから話す内容に対する計画プロセス、思考プロセス、注意プロセス、舌や唇を動かすプロセスなど、複数のプロセスのうえで成り立っていることを心に留める必要がある。
ハインツ氏は近年急速に進歩しつつある自動運転技術も考慮の対象とするなかで、静的な環境のみならず、動的な環境での対応を可能にするロボットの開発を提案している。そのようなロボットを開発するにあたり重要になってくるのが「移動」の概念であり、例えば言語学者レナード・タルミー(Leonard Talmy)の理論が浮上するだろう。言語学的アプローチを通じて生まれる新たな知見に注目したい。
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