「空からヤギを捕捉せよ!」 ドローンが無人島の生態系を守る…捕獲目標80匹

ロボティア編集部2017年4月18日(火曜日)

 韓国では無人島に放牧されたヤギを捕獲するために、ドローンが投入されている。韓国・国立公園管理公団は、今年3月に国内無人島3カ所で放牧したヤギ32匹を捕獲したと、4月16日に明らかにした。今回の捕獲作戦には、サーモグラフィカメラを搭載したドローンが利用された。まず、ドローンでヤギがどこに、何匹いるなど生態を把握。その後、網を張った場所にヤギを追い込み、人間がこれを捕まえるというプロセスが取られた。

 公団側はヤギを捕獲した理由について「放牧されたヤギは天敵がいない。そのため数が急増し、国立公園の植物など生態系の破壊が深刻だった」としている。また「15匹は放牧した元の所有者が連れて帰った。2匹は保育園など民間施設に寄付した」と、捕獲後のヤギの処遇について知らせた。

 今後、公団は「ドローン海洋パトロール団」を設置。2017年末までに7ヶ所の無人島に放牧されたヤギ80匹を、完全捕獲することを目標として掲げている。稼働するドローンの数は39台となる。公団は2007年から昨年まで、すでに2840匹のヤギを捕獲しているが、対象としている23個の島の中にまだ848匹のヤギがいると推定している。

 なお、ドローンが自然に及ぼす影響を考慮して、公団側は有害生物の調査以外には使用していない旨も併せて公表している。本来、動物のストレスの元凶となるドローンだが、放牧されたヤギが生態系を狂わすため適切に処置しなければならないという理由から導入が決まったとした。

photo by 国立公園管理公団