ダボス会議アンケートで8割が体埋め込み式型携帯電話が実現と予想

ロボティア編集部2015年11月2日(月曜日)

 デジタル、ロボット技術の発展はどこに向かうのか。9月、「ダボスフォーラム」として知られいる世界経済フォーラム(WEF)で、この問いに対する重要なレポートが発表された。レポートの名称は「Deep Shift:Technology Tipping Points and Societal Impact」。世界各国の情報、通信分野の専門家、CEOなど816人がアンケートに参加し、2025年の段階で、デジタル技術が社会をどう変化させるかについて予測したものだ。

 アンケート内容は、人間の生活とインターネットの関係、コンピューター技術、インターネットの影響力、Iotなど6つのトレンドに区分して集計された。 WEFは、レポートを通じて、デジタル革命が人類の生活の形を根本的に変えると予想している。

 調査結果によると、91.2%の回答者が、2025年に10人のうち1人の割合で、インターネットに接続された服を着ているだろうと予測した。服がいわゆるIoT可するということで、以前に見られなかったファッションが量産されると見込んでいる。

 また回答者のうち91.0%は、情報を保存することができるストレージ(storage)を無料で、無制限に使用することができるようになるだろうと予想した。情報を保存し、必要に応じて取り出して使用するためのストレージ容量が大きくなり、映画などの動画はもちろん、大容量の研究資料に至るまで簡単に保存できる環境が整うというのが専門家たちの考えである。

 また、89.2%が1兆個のセンサーがインターネットに接続され、さまざまなことを遂行していくだろうと見込んでいる。ここでいうセンサーとは、熱、光、温度、圧力、音などの物理的な量やその変化を検出、区分、計測し、一定の信号として知らせる部品や機構、または計測器をいう。最近、温度センサー、圧力センサー、流量センサー、磁気センサー、光センサー、音響センサー、味覚センサー、嗅覚センサーなど、新たなセンサーが次々と登場している。

ロボット薬剤師
UCSF Medical Center photo by toptenz.net

 86.5%の回答者は、2025年に薬剤師ロボット(robotic pharmacist)を見ることができるだろうと予測した。米国では現在、いくつかの薬を対象に自動販売機方式がテストされているが、10年後には調製相談までロボットがこなすことが可能になるとみている。

 また回答者の85.5%は、10年後には10人に1人の割合で、読書用メガネ(reading glasses)を着用して、新聞や本を読むことができるようになると予想した。「グーグルグラス(Google Glasses)」のようにスマート機能を持つメガネが普及するという予測だ。今後は、拡張現実(AR)技術を活用したウェアラブルコンピュータ・眼鏡通じて、様々なコンテンツを見ることができ、外国語の翻訳なども可能になると考えられている。

 次いで、回答者の84.1%が、10年後には3Dプリンタで製作した車(3D printed car)が生産・販売されると予想している。3Dプリンタがあれば作れないものはないと言われているが、まだ製作速度が遅いため、現在は大量生産技術が開発されている状況だ。

 回答者の82.9%は、10年後には、ビッグデータシステムを活用して、人口センサス(国勢調査)を実施する国が出てくると予想した。ビッグデータを使用すれば、短い時間で人口関連データの集積・分析・加工をすることはもちろん、家具・住宅総数の規模・構造・分布などを把握することができる。

 回答者の81.7%は、埋め込み型携帯電話(implantable mobile phone)が実現すると予想した。人体に注入することができる生体素子技術が発展し、人体埋め込み式の携帯電話が一般化するとの見通しである。

 回答者の78.2%は、無人自動車が大量販売されているものと見込む。2025には、無人車(driverless car)を所有した人が車の所有者全体の10%に達すると予測した。

 また回答者の76.4%は、10年後には3Dプリンタで作られた肝臓を肝損傷患者に移植することができると予想した。現在、世界の医療業界は、3Dプリンタを使用して人工腎臓、人工肺、人工心臓を製作しているが、まだ実験段階に過ぎない。しかし専門家たちによれば、2025年頃には肝臓癌などで苦しんでいる患者に、作った臓器を移植することができると報告されている。

 このほかにも75.4%の回答者が、企業活動の約30%をロボットがこなすものと展望している。

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