AI・ロボット活用し先端医療機器大国となりつつあるイスラエル

ロボティア編集部
ロボティア編集部

 当時、日本でも多くの芸能人が参加したことでこの病気を知ったという方も多いのではないだろうか。今回開発された製品はメガネの形の装着型。ALS患者がその製品をかけると、家族や医療従事者にメッセージを発信するための様々な「オプション」がメガネの操作パネルに表示される。「室内は暑いか?寒いか」「いま何か助けてほしいことがある」など。ALS患者は表示されたオプションを見ながら「目」を動かすことで、発信したいメッセージを選択し、外部とコミュニケーションを取ることが出来る。

 実は目を動かしてコミュニケーションを図る技術は、以前から存在していた。しかし従来の機器はコストが高く、100万円以上するものもある。そのうえ習得するのに数年間の訓練が必要だったため、ALS患者をもつ家族に浸透するには至らなかった。一方で今回開発された「アイコントロール」は従来機器に比べると低コストで、習得するのに一時間もかからない。EyeControl社は米国食品医薬局(FDA)や欧州の工業規格である「CEマーク」の認証を受けた後、年内の商用化を目指している。

 また、テルアビブ・ソラスキーメディカルセンター(Tel-Aviv Sourasky Medical Center)が開発した「バイブレントピル(Vibrant Pill)」もユニークな発想と革新的技術で注目を集めている。これは、小型のモーターが内蔵されている「振動カプセル」で、慢性的な便秘に悩む人々のために開発された。現在日本では、国民の約 3 割が便秘に悩まされていると言われている。便秘に対しての治療薬は数多くあるものの、強い副作用や長期使用によるストレスなどによって、患者満足度が低いという指摘も存在する。

「Vibrant Pill」は、飲み込んで下部消化管に到達してから振動するようにプログラミングされている。3分おきに振動しながら人間の消化管など臓器の収縮運動に似せた動き方をすることで腸内を刺激し、排便を促す仕組みとなっている。薬効が無いため、当然ながら副作用は起きない。

 ソラスキーメディカルセンター側は、便秘に悩む患者26人を対象に1週間に2回この振動カプセルを飲ませた結果、平均週2回だった便通の回数が、2倍の4回にも増えたと発表している。薬の副作用や長期服用に悩む患者に提案する新たな治療法として、世界的に注目されたのは言うまでもない。