冷凍銃にワシまで…「アンチドローンシステム」技術と課題まとめ

 ドローンを検出・識別した次には、無力化のフェーズに入る。現在、ドローンを無力化する方法の中で最も確実とされるのは、ドローンを物理的、もしくは電子的に阻止する方法である。

 特に電波妨害方式(Jamming)が最も安全かつ正確な方法として注目を浴びる。電波妨害は、ドローンと操縦者間の無線通信、またはドローンのGPS通信を妨害することにより墜落、強制着陸、または強制的に帰還させる形を取る。

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 現在、この電波妨害方式を採用すれば、ドローンを確実に無力化させることができると言われている。一方で、各国には電波法が存在するため、重要施設などで使用を許可するための法律的調整も必要になってくる

 世界各国の軍隊では、電波妨害のほか、レーザー、散弾銃、電磁パルス(EMP)など火力を利用してドローンを破壊する方法も積極的に開発されている。これは、ドローンを確実に停止することができるという利点があるが、現実的には、飛行するドローンを狙い撃ちすることは非常に難しく、まだ技術も完成されていない。

 何よりも、ドローンを物理的に破壊するとなると、機体が炎上しながら落下してくることが想定される。つまり、人命被害や大型の爆発事故のような2次被害が発生する可能性もある。またEMPなどを使用すれば、ドローン以外の周辺電子機器が回復不能な状態になる可能性もあり、密集地域が多い国では使用が非常に難しい。

河鐘基

記者:河鐘基


1983年、北海道生まれ。株式会社ロボティア代表。テクノロジーメディア「ロボティア」編集長・運営責任者。著書に『ドローンの衝撃』『AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則』(扶桑社)など。自社でアジア地域を中心とした海外テック動向の調査やメディア運営、コンテンツ制作全般を請け負うかたわら、『Forbes JAPAN』 『週刊SPA!』など各種メディアにテクノロジーから社会・政治問題まで幅広く寄稿している。